起業家たちの「頭の中」

弁護士ドットコム 元榮太一郎

いつかインターネットで弁護士を探す時代が来る。“一見さんお断り”がまだ当たり前だった今から12年前にそんな夢を描き、「弁護士ドットコム」を創業した元榮太一郎(もとえ たいちろう)氏。法律事務所の代表、上場企業会長でありながら現参議院議員という3つのキャリアを持つ元榮氏に起業家としての心構えやベンチャー企業の事業・組織についてドリームインキュベータの下平将人が聞いた。(全6話)※本記事は2017年11月に実施したインタビュー内容を基に作成しております。


「時代を読んで仕掛けて待て」を真髄に

──8期連続で赤字だったなか、事業を続けられた理由について教えてください。やはり「社会にとって必要なサービスである」という理念があったことが大きいのでしょうか。

大きいですね。私は孫正義さんの「時代を読んで、仕掛けて、待つ」という言葉が好きでした。これは、世の中に事業を生み出していく成功の要諦だと思います。

まさに私自身が「弁護士を取り巻く世界が大きく変わる」と時代を読んで仕掛けていましたので。

赤字のときは、「今は時代を読んで仕掛けている最中だ」と言い聞かせ、「弁護士が身近になると多くの人が必ず喜んでくれるはず」ということを信じ続けました。

加えて、サービスを続けていくなかで、利用者の方から感謝のメッセージをたくさんいただきました。それが心理的な支えにもなっていましたね。

ただし、会社が赤字ということは、資金面のやりくりは精神論で解決できるものではありません。

そこで私は、法律事務所のオーセンスで頂いた利益を元手に弁護士ドットコムの運営費用にあてました。

インターネット企業が受託の仕事をしながら自社サービスを作るように、別法人ではありますが、法律事務所でお役に立ちながら報酬をいただいて、それを弁護士ドットコムに投下していったのです。

この精神面と経済面の2つが、8期連続赤字でも事業を続けられた理由です。



サービス拡大の秘訣

──弁護士ドットコムを広げていくために、どのような戦略を行ったのですか。

サービスリリース当初は、弁護士検索サービスがメインだったのですが、「みんなの法律相談」という無料Q&Aの仕組みや「弁護士ドットコムニュース」というオウンドメディアを立ち上げました。

この仕組みにより、有益なコンテンツが自動的に増殖していくので、CGM(Consumer Generated Media:消費者生成メディア)型としてユーザーの皆さんさんの目に触れやすくなっていきます。そうすれば、SEO的にもサイトが上位に上がっていきますよね。

このような多くのユーザーの目に触れるための施策がうまくいくようになると、自然とユーザーが集まってくるようになりました。ユーザーが集まれば、さらに多くのユーザーを呼ぶのです。

さらに、多くのユーザーと繋がれるのであれば、と弁護士の先生の登録スピードも速まっていきました。

文=下平将人 提供元=Venture Navi powered by ドリームインキュベータ

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