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2019.11.28

伊ヴェルサーチェが米アパレル企業を「コピー商品」で提訴

ヴェルサーチェのドレスを着るジェニファー・ロペス (Vittorio Zunino Celotto / by Getty Images)

イタリアの「ヴェルサーチェ(旧称:ヴェルサーチ)」は11月23日、米ロサンゼルス本拠の新興ファッション企業「ファッション・ノヴァ」を提訴した。ファッション・ノヴァはジェニファー・ロペスがグラミー賞受賞式で着用した伝説のドレス「ジャングル柄のドレス」など、近年のヴェルサーチェを代表するアイテムのコピー商品を販売したという。

カリフォルニア州地方裁判所に提出した訴状で、ヴェルサーチェはファッション・ノヴァに対し、これらの商品の販売中止と賠償を求めている。問題とされたアイテムにはジャングルドレス以外に、Pop HeartやBaroccoと呼ばれるラインのものが含まれている。

ファッション・ノヴァはコピー商品でヴェルサーチェの顧客を混乱させ、さらに、ファウェブ上で販売する際に、ヴェルサーチェの商標やアイテム名をタグづけし、検索されやすい施策を行っていたという。

訴状では、ファッション・ノヴァが意図的に他社のデザインをコピーしているとされた。今年2月には、キム・カーダシアンも同社がコピー商品を販売していると非難していた。

フォーブスはヴェルサーチェとファッション・ノヴァにコメントを求めたが、現時点で回答は得られていない。

「ファッション・ノヴァの不正商品はヴェルサーチェのデザインを故意に模倣し、当社が築き上げたブランドと名声から搾取を行うことで、利益をあげている」とヴェルサーチェは主張している。

ヴェルサーチェは意外なことに、2011年にH&Mとのコラボで「ファストファッション・コレクション」をリリースしていた。

イタリアのミラノに本拠を置くヴェルサーチェは、1978年にジャンニ・ヴァルサーチによって設立された。同社のコレクションはジェニファー・ロペスに加え、エルトン・ジョンやダイアナ元妃、モナコ公女のカロリーヌ・ド・モナコらの多くのセレブに愛された。

ヴェルサーチェの親会社のカプリホールディングスは、ジミーチュウやマイケル・コースを傘下に持っている。ヴェルサーチェは2018年に20億ドルでカプリに買収されていた。

ファストファッションはアパレル市場で巨大な支持を獲得し、2028年には年間売上が440億ドル(約4.8兆円)規模に達する見通しだ。ネットフリックスで現在人気のトーク番組「ハサン・ミンハジ:愛国者として物申す」では「ファストファッションの弊害」と題した最新エピソードで、コピー商品の問題や、使い捨てのアパレルが環境に与えるダメージがテーマとされた。

編集=上田裕資

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