ツイッターが「追悼アカウント」導入へ、削除計画を中止

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ツイッターは今週、6カ月以上ログインしていない「休眠アカウント」の所有者に対し、「12月11日までにログインしないとアカウントを削除する」との警告をメールで送付した。しかし、同社はこの措置の延期を発表した。

延期の理由は、この措置により故人のアカウントも消されてしまうからだ。ツイッターは11月27日、故人のアカウントを保護する仕組みを導入するまで、削除は行わないと発表した。

同社は26日の時点では、6カ月以上使用されていない全アカウントを削除すると述べていた。これにより、使われていないアカウント名を解放し、プラットフォームの信頼性を向上させるとしていた。

しかし、この措置の発表直後に、「故人のツイートや彼らを追悼する人々の声が抹消されてしまう」という反発の声があがった。2015年2月に亡くなった米国のコメディアン、ハリス・ウィッテルズの親族は彼のアカウントにログインし、「12月になればこのアカウントが葬り去られるというのは悲劇だ。ツイッターの決定に断固として反対する」とツイートした。

このツイートはたちまち拡散し、ツイッターは故人のアカウントを維持する手段を導入するまで、削除は行わないと宣言した。ただし、EU圏内においては一般データ保護規則(GDPR)に従うために、削除は実行されるという。

「我々は故人のアカウントの取り扱いについての、ユーザーからの声を受け取った。今回の措置は、当社側の不注意だった」とツイッターの広報担当はツイートした。

フェイスブックは以前から「追悼アカウント」制度を設けており、ユーザーは自分の死後にアカウントの管理を任せる友人や家族を指定しておける。故人のアカウントは追悼アカウントとして残るが、プロフィールの更新はできなくなり、閲覧できるのは故人と関わりのあった人のみとなる。しかし、ツイッターには同様の機能は存在しない。

ツイッターはEU以外の地域においても、現地の規制に適合するために削除を行う可能性があると述べている。しかし、その際はユーザーに対し事前に警告すると約束した。

編集=上田裕資

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