しかし、米国の西海岸の全ての州で、この車は絶賛されている。カリフォルニア州やオレゴン、ワシントンの人々はサイバートラックを気に入っている。ニューヨークの人々もこの車が気に入ったようだ──。
ここに紹介したデータは、自動車アクセサリーディーラーのPart Catalogが、10万件の位置情報つきのツイートを分析したものだ。
「当社はジオタグつきのツイートを分析し、テスラがサイバートラックを発表して以降の反応を確かめた。10万件以上の投稿に#cybertruckのハッシュタグが添えられていたが、その文面に含まれるI hate it(嫌いだ)、I love it(好きだ)といった文言を分析した結果、州ごとの反応の違いをマップ化することができた」とPart Catalogの担当者は筆者宛てのEメールで述べた。
Part Catalogによると、米国の19州ではサイバートラックを「気に入った」という声が優勢だった。一方で、31州で「嫌いだ」という声が多数を占めた。総じて言うと、ツイッター上では全体の52%がこの車を嫌いで、48%が好きだと答えた。
テスラの新型モデルは、極めて議論の分かれる車となった訳だが、この結果は驚くには値しないだろう。斬新なイノベーションが議論を呼ぶのは当たり前なのだ。
筆者は本日の朝、日産やBMWのデザイナーを務め、現在はメルセデスのコンサルティングを手掛けているFede Ponceに意見を聞くことができた。Ponceはサイバートラックのデザインに感激し、その場で予約を入れたという。
「テスラのやる事はいつだって過激で、人々の好き嫌いがはっきりする。自動車業界のミーティングでまず話題になる事柄を知ってるかい? それはテスラについてだよ」と、Ponceは熱を込めて語り、「ミニマリズムの哲学を実行に移すのは難しいものだ。けれど、それをやってのけたのがサイバートラックなんだ」と彼は続けた。
Ponceはさらに別のポイントについて解説した。「テスラの特徴は単に車を売るだけではなく、エコシステムを構築している点だ。それは充電所のスーパーチャージャーのネットワークだけじゃない。サイバートラックのお披露目にあたり、テスラは広報写真でキャンピング用品を添えて車のイメージを説明した。そこには、この車が打ち出したい哲学や美学が明確にされていた」
Ponceはさらに、「デザイナーとしては、この車は夢のような仕事だと思う」と続けた。
彼の考えでは、他の大手自動車メーカーも今後、テスラと同様なコンセプトに向かうべきなのだという。しかし、自動車産業のメッカであるデトロイトがあるミシガン州において、サイバートラックはかなりの不評だった。
オレゴン州では72%がこの車が好きだと回答し、全米トップだった。そこに続くのはハワイ州で、71%だった。しかし、ミシガン州においてはサイバートラックが嫌いだとツイートした人の割合は、全米で最も高い、71%に達していた。