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2019.11.30 07:00

急拡大する「大麻オイル」CBD市場、米国が新ガイドライン策定へ

Jonathan Weiss / Shutterstock.com

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米食品医薬品局(FDA)は11月25日、アメリカでブームの大麻オイルCBD関連のプロダクトに関する新たなガイドラインを公開し、CBDの潜在的リスクを警告した。これにより、CBD関連の一部の企業の株価は下落した。

FDAは消費者に対し、CBDが肝臓にダメージを与える可能性について注意し、違法なCBD関連プロダクトを販売する15の業者に警告を行った。

CBDを取り扱う最大手の3社、クロノスグループやオーロラカンナビス、ティルレイ(Tilray)の株価は翌日の26日に3%近い下落となった。さらにCBDに注力する企業のCharlotte’s WebやMedical Marijuana, Inc.、CV Sciencesらの株価は最大8%も下落した。

一方、米国で唯一、FDA認可を受けたCBD医薬品を販売するGW Pharmaceuticalsの株価は、1%以上の上昇となった。

ティルレイの広報担当は、FDAがより詳細なガイダンスを公開することを歓迎し、自社の製品に自信があると述べた。Medical Marijuanaの広報は、「ナチュラルなCBDが肝臓にダメージを与えるという証拠は存在しない」と反論した。さらに、CV Sciencesの担当は「FDAの大げさな警告には失望した」と話した。

今年春にFDA長官を辞任したスコット・ゴットリーブは以前から大麻やCBDに対する批判的スタンスで知られ、「CBDの薬理作用は証明されていない」と述べていた。今回のFDAのアナウンスを受けて彼は「さらなる研究とデータの収集により、深刻な健康上の懸念に対処せねばならない」と話した。

CBDは大麻由来の成分ではあるが、精神をハイにする作用はない。米トランプ政権は昨年12月にファームビル(Farm Bill)と呼ばれる農業政策法案を可決させ、CBD プロダクトを大麻の規制対象から除外した。

それ以降、CBDプロダクトの商品化が加速し、チンキ剤やローション、グミなどの様々な形態のものが販売されている。メディア専門家のマーサ・スチュワートはCBDを使用した新たなライフスタイル商品の開発に乗り出し、コロナビールを製造するコンステレーション・ブランズやタバコ大手のアルトリアも、CBD市場に数十億ドル規模の投資を行っている。

マーケティング企業Brightfield Groupは、現在50億ドル規模のCBD市場が、2023年までに280億ドル(約3兆円)近くに拡大すると試算している。

FDAは今後、数週間以内にさらに詳細なガイダンスを公開すると述べた。大麻関連プロダクトの投資ファンド、Cannabis ETFのMatt Markiewiczは次のように話した。

「FDAがさらに詳細な情報を開示すれば、CBDを取り扱う上場企業らは、株価を上昇させるだろう。なぜなら人々は、クオリティが高く法の基準に沿ったCBDプロダクトを求めているからだ」

編集=上田裕資

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