米陸軍もTikTokのデータ流出を警戒、軍関係者に調査を実施

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米国の政府関係者は中国のバイトダンスの短編動画アプリ「TikTok」が、国家の安全保障上の脅威をもたらすリスクへの懸念をさらに高めている。

米国陸軍のライアン・マッカーシー長官は11月22日、政府首脳の要請を受けて、陸軍関係者がTikTokを利用した場合のリスク評価を実施すると述べた。マッカーシーは上院民主党院内総務のチャック・シューマー議員から要請を受けた。

中国のバイトダンスが運営するTikTokは、米国で2600万人以上の月間アクティブユーザーを抱えており、利用者の大半が16〜24歳の年齢層だ。シューマー議員は中国政府が、自国のテック企業に「諜報機関への協力」を義務づけている点に懸念を抱いている。

バイトダンスのTikTokは、中国企業のアプリとしては異例の国際的な支持を獲得したが、その人気ぶりゆえに米国はこのアプリを警戒している。シューマー議員らは10月に、政府の情報当局者に対しTikTokが国家の安全保障上の脅威となる可能性を調査するよう要請していた。

バイトダンスでTikTokの米国事業を統括するVanessa Pappasは、「米国ユーザーのデータは米国内で保有されている」と述べ、これらの懸念を払拭しようとした。

米国ではロシア製アプリの個人情報の取り扱いに対する懸念も浮上し、今年の初めにシューマーらは、FBIとFTCに対し、写真加工アプリ「FaceApp」の調査を進めるよう要請していた。さらに、昨年はフィットネスアプリの「Strava」経由で、米軍基地のロケーションが暴露される事態も発生していた。

一方で米国政府は近年、若いアメリカ人を軍隊にリクルートするために、TikTokなどのソーシャルメディアの活用に注力している。

編集=上田裕資

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