ビジネス

2019.11.29

デンマーク発「哲学的」時計ブランドがECで好調。2020年に日本で店舗展開へ

Nordgreen CEO バジリ・ブラント


NordgreenのCEO

デンマーク流・心地良い働き方


今回ぜひ、日本人の従業員をチームにもつブラントに聞いてみたかったことがある。日本では働き方改革が進むが、デンマークの職場ではどのような工夫をしているのだろうか。

日本人は “Hard-worker” になりがちだが、ブラントも「デンマークにおける1週間の労働時間は37時間と決まっている。特に日本のマーケット担当者は最後まで残っていることが多く、責任感が強いですね」と語る。

だが、「プレッシャーを与えて、働かせ続けてはいません。従業員へのリスペクトがとても大事で、心地よく働けるのが大事なポイント」と指摘する。経営層からすれば、タスクが期限内に完了していないことは問題だが、子育てなど用事があって早く帰宅する人がいる場合、他のメンバーで良いものを追求するようにマネジメントすることも仕事のうちだ。

また、夏休みや冬休みなどの期間は特に決めておらず、正規雇用者は年に5週間の有給を取得することができる。実際は、祭日などに合わせて2~3週間取得する人が多いそうだ。

社内のコミュニケーションを円滑にするため、隔週で金曜日の朝は、社員が担当制で朝ごはんを用意する「オフィスブレックファースト」を開き、自由参加できる。またオクトーバーフェストやBBQなど、2カ月に1回ほど社員が参加できるイベントも企画し、社員が心地良く働ける環境づくりを進める。

Nordgreenの時計を身につける男女
(Nordgreen)

Nordgreenは、日本でのオンライン販売の強化に加えて、2020年に東京での実店舗の展開を予定している。ブラントは日本で暮らす私たちに、こんなメッセージを発信した。

「日本はこれから10年先も大きな顧客です。その間にどの国にとっても、『サステナブル』はなくてはならない概念になるでしょう。私たちは、購入しやすくも、生産者に対して責任ある価格で提供し、すべての製作過程においてサステナブルな会社になっていきたいです。みなさんにはこの概念を持つ私たちのブランドをいち早く試してもらい、賛同していただきたいですね」

文=督あかり 写真=Christian Tartarello

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