ビジネス

2019.11.28

少子化が進む日本でレゴが「店舗数を増やす」理由


今後強化していく市場は、少子化の進む日本

もちろん、地球環境に配慮した取り組みは、企業としての事業があるからこそ実現します。

今後はアジア市場、特に日本市場への投資を強化していきます。少子化の進む日本でなぜ? と感想を持つ人も多いでしょうが、その理由もシンプルです。

レゴは日本に進出してから今年で57年。アジアにおいては、日本が一番レゴの歴史が長いんです。

子どもの頃にレゴで遊んでいた大人が、親になってから自身の子に買い与えるおもちゃとして、レゴが選択されやすいことは、想像がつきやすいのではないでしょうか。

もちろん、人口約14億人の中国も大切な市場です。ただ、中国にはまだレゴで遊ぶという文化が根付いていない。レゴにとって、中国は市場作りの段階にある国なので、投資規模は日本の方が大きくなるということです。

ニールス・B ・クリスチャンセンの名刺
レゴ本社の社員は、名刺代わりに電話番号とメールアドレスが背面にプリントされた小さいレゴを持ち歩いている。

日本の消費者の皆さんに、その投資の結果が一番わかりやすいのは店舗数の拡大です。現在日本には38のレゴブランドストアとレゴ認定公式オンラインストアがありますが、この数をさらに増やすことが決定しています。

日本はデジタルゲームの種類も多く、これだけ子どもが遊ぶ手段の多い国、他になかなかないのではないでしょうか。

私たちは何も、デジタルゲームを取り上げてレゴで遊んで欲しいとは思っているわけではありません。

デジタルゲームにはデジタルならではの楽しさがあり、子どもがITリテラシーを鍛えるきっかけにもなる。一方、レゴはゼロから物を作る楽しさがあり、クリエイティビティを高める機会を提供できることも強みだと思っています。

デジタルもアナログな遊びも豊富な選択肢の中で、流動的に楽しむことができることが、現代の子どもたちならではの特権。そんな恵まれた時代に生まれた子どもたちに、とっておきの経験と未来を提供することを、これからも家族経営の企業として継続していきます。

文・写真=守屋美佳

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