「好き」を軸に自分を深掘る。インターネット時代の個性の磨き方

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「好き」でつながると、自分でも何かを発信したくなってくるものです。

インターネット上で「好き」を発信し続けていくことで仲間と出会い、交流をしていくと、今度は「同じ好きでも、私とこの人とではちょっと違う」という微妙なズレに気づくようになります。

例えば一口に「シュークリームが好き」と言っても、カスタードのこってり感が好きなのか、生クリームの滑らかさが好きなのか、それともパイ生地のしっとり感が好きかどうかで、さらに「好き」を細分化していくことができます。つまり、「好き」を深堀りし、細分化していくことで生じる他者との距離感を掴むことこそ、自分の個性を綿密に縁取っていくために大切なステップなのではないでしょうか。

そして、なかなか人には伝わらない「好き」を見つけ、それが相手に伝わるよう、試行錯誤しながら発信したものが誰かに深く理解されると、とてつもない喜びを感じられるものです。

こうして、「人と違って良いのだ」という自己肯定や、「人と違う感覚を誰かと共有できるんだ」という快感や成功体験を小さく積み重ね、育んでいくことで浮き上がってくるのが「個性」なのではないでしょうか。

何より、人とは違う「好き」を理解された、受け入れられた体験があると、今度は人と違う「好き」を持っている人に優しくなれるものだと思います。

この先の混沌とした時代を生きていくうえで、「好き」を持つこと、「好き」を表現できる居場所を持つことは、生きていく上での力や保険にもなり得ると思います。そして僕は、あらゆる人にとってインターネットが「好き」を共有できる居場所であり続けるべきであり、ツールとして使いこなす価値があるものだと思っているのです。

連載:ポストAI時代のワークスタイル
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文=尾原和啓

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