ミレニアル世代とZ世代においては、資本主義に前向きな人々の比率が2010年の66%から、現在は51%まで低下した。一方、18〜39歳の年齢層で社会主義に前向きな人々の割合は2010年とほぼ変わらず、約50%だった。
一方で、ジェネレーションXとベビーブーマー世代においては、2010年以降に資本主義の支持率が高まっていることが判明した。X世代では58%から61%に、ベビーブーマー世代では58%から68%まで伸びていた。
社会主義に前向きな姿勢を示す人々の割合も、X世代とベビーブーマー世代の双方で高まっている(X世代は現状で39%、ベビーブーマー世代は33%が社会主義に前向きなスタンスを示している)。しかし、この比率は若い世代と比べるとかなり低い。
2020年の米国大統選挙に向けて、民主社会主義を打ち出すバーニー・サンダースの人気が高まっている。これは、米国で社会主義の支持が高まりつつあることの証拠だとする見方も多い。
しかし、今回のギャラップの調査で明らかになったのは、ミレニアル世代やZ世代が社会主義に傾倒しつつあるというよりは、むしろ、資本主義が失速しつつあるという事実だ。資本主義は米国において、格差の拡大の主要因とみなされつつある。
資本主義に対する批判的意見が高まる中で、大手企業のCEOたちは(少なくとも表面的には)、ビジネスの在り方を改めようとしている。また、超富裕層にこれまで以上の重税を課す民主党のエリザベス・ウォーレン候補の政策も支持を獲得している。