━━協会は女性会員限定ですか。男性を入れるか入れないかはどうのようにして決めましたか。
会員はもちろんみんな女性です。そして、イベントも最初の3年間は全て女性限定にしました。登壇者も女性です。あまりマスコミに取り上げられていない女性にプラットフォームを提供したいからです。
女性限定にすると、質疑応答の時間に参加者はたくさん質問し、赤裸々に話すことができます。
実験的に男性参加者を入れたら、女性はほとんど質問しなかったのです。今後は最近の会員のフィードバックに基づいて男性参加者も受け入れるようにする予定です。
IWAのイベントにて
━━働く女性へのキャリアアドバイスはありますか。
「具体的なスキルを身に付けた方がいい」と若い女性によくアドバイスしています。残念ながら、多くの女性は技術的なスキルを身に付けなかったり、自分の数量的能力に自信がなかったりして営業の仕事をさせられることが多くあります。
私たちの世代はあと何十年も働くから、自分たちを「耐未来性」のある人材にしなければいけません。「耐未来性」とは、テクノロジーの技術が進み、人間の仕事がどんどん減るなかで生き残っていく能力のことです。例えば、プロジェクト・マネジメントという仕事は何十年かすれば機械化されているかもしれません。数量的能力や技術的能力を身に付けるのは「耐未来性」を身につけるために非常に有効だと思います。
具体的な事例を挙げると、私はCFA協会認定証券アナリストの資格を持っています。自分のスキルと経験を明確に証明する資格になるので、金融で働いている人に強く勧めます。会社からの支援がなくてもCFAのような機会を自発的に掴んだ方がいいでしょう。
私は勉強を続けて、新しいスキルを身につけたからこそ、同業他社の同期に差をつけることができたと思います。
次は「いいメンターを選ぶこと」をアドバイスしています。ベストなメンターを見つけるためには、クリエイティビティとしつこさが必要です。
私はまず手紙を書きました。会議で素晴らしい講演を聞いたら、講演者に会うためにすぐ、講演者用の裏口で待って「メンターになって下さい」と頼みました。その際、手紙やメールに返事が来なくても、絶対に落ち込まないようにしました。なぜなら、返事をくれない人はいいロールモデルのはずがないと思ったからです。
最後に、「有名でブランド力のある一流企業で働く魅力はすぐ衰える」ということです。ブランドは全てではないです。むしろ、有名な会社ではなくても、自分と同じ価値観を持っている人と仕事をすることをお勧めします。