「自分の人脈は自分の財産」16歳から渡英したイラン女性がキャリアで大切にしていること

エンジェル・ノールバックシ


━━どうしてイギリスを選んだのでしょうか。

イギリスを選んだ一番の理由は母国のイランから距離が比較的近いからです。飛行機だと6時間半で着きます。両親はイランに残ったので、飛行機に乗ったらすぐ会える場所にして安心したかったのです。

近いと言っても、カルチャーショックはたくさん経験しました。何よりイギリス社会のオープンさは一番衝撃的でした。

特に学校では、イギリス女性はイラン人女性よりも発言権を持っています。イランの学校の場合、女性と男性は大学まで分かれています。イギリスの学校に入って、人生で初めて男性と同じ教室で勉強しました。慣れるまで時間がかかりました。一方で、同級生たちは外国人と一緒に勉強することが相当ショックだったみたいです。

もう一つびっくりしたことがあります。イギリス人は初対面で冷たいように見えます。しかし、家族でなくても仲良くなる人に対して強い忠誠心を持っています。中東の人々は家族だけに忠実なので、驚きました。

━━イラン人女性向け会員協会の設立したきっかけを教えてください。

イギリスでは、自分の人脈は自分の財産です。私はイギリスに引っ越して大変なことをたくさん経験しましたが、イランからイギリスに来る女性に同じような大変さを経験して欲しくありません。

そこで友達が一人もいなくても人と機会を紹介してくれるキャリアウーマンのネットワークを作りたいと思いました。

始まりはとても単純でした。友達とカフェでお喋りしていたある日、私が国際女性協会のイベントに行った話をしていました。そこでは様々な国の代表者が出席していましたが、残念なことにイランの代表はいませんでした。そこで友達と協会を設立することを決めました。


IWA5周年パーティーのスピーチにて

2013年11月に協会の定款を書いて、2014年5月に正式にローンチしました。口コミだけでメンバーが増えて、現在データベースにメンバーが500人もいます。フェイスブックで900人のフォロワーがいます。最年長のメンバーは70代で、最年少のメンバーは10代です。テック業界、ホスピタリティ業界、小売業界から金融業界まで、メンバーたちは様々な業界で働いています。

協会の使命は4つあります。インスパイアすること、知識を伝えること、人を繋げること、と社交の場を提供すること。

第一の「インスパイアする」という使命ですが、四半期ごとのトークイベントを通じて果たしています。第二の使命ですが、ワーク・ライフ・バランスに関するニュースレターやワークショップを使って知識を伝えています。他の協会との交流会を開催し、人と人をつなげています。そして最後に、飲み会を開いて楽しい社交の場を提供しています。
次ページ > 働く女性に向けた3つのアドバイス

文=エリー・ウォーノック

ForbesBrandVoice

人気記事