「自分の人脈は自分の財産」16歳から渡英したイラン女性がキャリアで大切にしていること

エンジェル・ノールバックシ

自国を離れ、世界に挑戦する人はたくさんいる。海外に憧れはあっても、なかなか踏み出せない人もたくさんいる。

世界各国からチャンスを求めて人が集まるロンドン。そこで16歳のときから異国の地で挑戦を続ける1人のイラン人女性がいる。エンジェル・ノールバックシ。

エンジェルは金融業界で働きながら、イギリス唯一のイラン人女性向け協会「Iranian Women’s Association(IWA)」を設立した。グローバルに活躍する彼女のバックグラウンド、原動力とは──。


━━そもそもエンジェルさんはなぜイランから離れようと思い、今までどんなキャリアを歩まれたのでしょうか。

イランの小さな街で生まれ育ち、テヘランにある一流の国立学校に進学しました。そこで数学に興味を持ち始めました。さらなるチャンスを得るため、イギリスの大学に行くことを決め、16歳の時に1人でイギリスに引っ越しました。


卒業式にて

英語を勉強していたとき、「一番難しい英語を使うから、英語力を身に付けたいならフィナンシャル・タイムズを読んだ方がいい」と言われたのを覚えています。

言われた通りに読んでいたら、「金融業界の女性トップ50人」の特集がありました。そこで、大学で工学を専攻する人が身につける問題解決能力は金融の仕事で非常に役に立つ、多くの女性がコメントしていました。

その記事の影響を受けてユニヴァーシティ・カレッジ・ロンドンで電子工学とナノテクノロジーを専攻し、金融業界でのキャリアを目指します。

卒業後、PwCに入社、コンサルティングと投資顧問事業で働きました。PwCから資産運用会社に転職し、個人富裕層の顧客と仕事をしました。今年アデルファというベンチャー企業向けコーポレート・アドバイザリー会社に転職しました。

今までのキャリアで大変だったことの一つはビザを取得すること。当然ながらイギリスで働くイラン人は労働ビザが必要です。以前、イギリスの大学の規定以上を卒業する外国人は2年間の労働ビザを取得できました。しかし、大学院に通っていた途中でその制度がなくなり、ビザを取得するために大学院を中退せざるを得ませんでした。
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文=エリー・ウォーノック

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