「精神疾患に対する医療用大麻の有効性」に疑問符

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大麻に含まれる化合物が、長期的に見てメンタルヘルスにどのような影響を与えうるかについて検討することも重要だ。かなりの数の研究から、大麻、とりわけ強力な種類のものを定期的に使用することで、重度の精神病にかかるリスクが高くなることがわかっている。少なくとも、精神病にかかりやすい傾向を持った人は、それに当てはまるようだ。

また、2018年8月に発表されたひとつの研究で、医療用大麻の成分含有量の違いによって、うつや不安、ストレスに対する作用が異なることも明らかになった。高CBD/低THCは、短期性うつの軽減に最もよく効く一方で、低CBD/高THCの配合のものは、ストレスの軽減に最も効果的だった。不安障害の場合は、配合を問わず有効だった。

しかしこの研究は、大麻は全般的に、長期的に見れば、より重篤なうつ病の症状と関連性があることも明らかにしている。これにより論文著者は、「大麻を使い続けることで、徐々にうつの症状が悪化する可能性がある」との結論に達した。

大麻をあらゆるかたちで繰り返し使用することの長期的・短期的影響を理解するには、さらなる研究が必要になるだろう。この分野の研究は現在進行中であり、研究成果が不十分であるのは、適切に計画された研究が十分に行われておらず、結論を導き出せないことを意味するだけ、という可能性もある。この点については注意が必要だ。しかし、同じように大切なのは、「精神的障害に驚くほど効果的だ」と謳う薬については、どんなものであれ、懐疑的になることだ。より効果的とされる治療法と切り離されている場合は、特に注意すべきだろう。

翻訳=遠藤康子/ガリレオ

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