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2019.11.26 07:00

30時間限定、アイテムは受注生産──鈴木えみがアマゾンの新事業に感じた可能性


2018年、Lautashiは「Amazon Fashion Week TOKYO(アマゾン ファッション ウィーク東京)」のスペシャルプログラム「Amazon Fashion “AT TOKYO(アットトウキョウ)”」でメディアアーティストの落合陽一とタッグを組み、インスタレーションを行った経験がある。その取り組みを通じて、アマゾンは鈴木が持つ“可能性”を感じたそうだ。

「鈴木えみさんはモデルとしてだけではなく、ファッションデザイナー、インフルエンサーとしても活躍されていて、幅広い層の女性から支持を得ています。また、服を着る立場のモデル、服を作る立場のファッションデザイナー、両方の立場でファッションに関わられている。そういう人はあまりいません。

鈴木さんが持つ独自の視点や感性を通して、(日本だけではなく)世界中のお客様に愛されるファッションを日本から紹介できる良い機会になるのではないか。そう思い、お声がけしました」(アマゾン担当者)



Lautashiでは表現できないことを表現する

日本の“今”を反映したコレクションにして欲しい──鈴木がThe Dropのコレクションを作るにあたって、アマゾン側からはこのような要望があった。コレクションをグローバルに展開するからこそ、“日本ならでは”のトレンドを表現してほしい、と。

そんな要望に対する、鈴木の答えは「トレンドに囚われない」というものだった。

「日本はファッションの好みが細分化されていますし、“これがトレンドだ”と言い切れるものはない。いろんなものが混ざり合っていて多様的なので、トレンドをあまり意識せず、都会的なアイテムを作ろう、と思いました」(鈴木)

着ることで“背中を押してもらえるような気持ちにさせてくれる洋服”というコンセプトを掲げ、Lautashiの洋服をデザインしている鈴木。今回のコレクションでも、同ブランドが大事にするコンセプトは意識しつつも、Lautashiでは表現が難しいことに取り組んだという。

「The Dropで販売される商品の価格帯は、だいたい1万円前後。Lautashiとは全然違います。多くの人が手を出しやすい価格帯だからこそ、ちょっと挑戦的な色やデザインと言いますか……。日本の女性は定番を選びがちなので、あえて冒険が必要なアイテムにしてみました」(鈴木)

グローバルな視点で「洋服」をデザインしていく

Lautashiで洋服をデザインする際は、鈴木がデザイン画を描きながらアイデアを具現化させていくが、The Dropは「進め方が全然違った」という。
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文=新國翔大 写真=小田駿一

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