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文化が違えば、家族の在り方も大きく異なる。妻とのつき合い方、夫とのつき合い方もさまざま。では、「パパ育児先進国」としても有名なスウェーデンではどうなのだろう?

高校時代にスウェーデンに交換留学し、大学卒業後はスウェーデン大使館商務部勤務。その後、理想の子育てを求めて家族でスウェーデンに移住した久山葉子氏に、スウェーデンの夫婦の関係や家庭内での役割について聞いてみた。


「離婚率47%」、その理由は?

「男女が非常に対等の関係にあるように思います。私がスウェーデンに住んでまずびっくりしたのが、『専業主婦』がほとんどいないこと。専業主婦は『無職』と見なされてしまうのです」と久山氏。

男女の関係なく働くことが当たり前。夫婦の家計は、収入に応じて分担することが多いようだ。夫が養うという感覚はまずない。所得税の申告は個人ごと。扶養控除もないし、年金も本人にしか支払われないという。「世帯」「女性」「男性」ではなく、「一個人」としてカウントされていて、性差がフラット、社会的バイアスがないようなのだ。

こういった背景もあるのだろうか。離婚率も非常に高い。統計によれば、約47%だという。実に半数の人が離婚を経験している。ちなみに日本も約35%。年々増加の傾向にあるようだが、離婚に関するイメージはスウェーデンと日本で大きく異なる。

久山葉子氏
久山葉子氏

「スウェーデンで離婚率が高いのは、経済的な理由で離婚を我慢する人が少ないからではないでしょうか。日本も我慢しなくてよくなれば、もっと離婚率が上がるかもしれませんね」と久山氏。今後、さらに女性が仕事を持つようになったら、日本でも事情は変わってくるかもしれない。

離婚に対するハードルの低さも要因のひとつと言えるだろう。1度くらいパートナーを変えるのはよくあること。再婚して、異母・異父兄弟がいるのもごく普通のことである。だから、世間の目を気にする必要がないという。それに、苗字の問題もある。

離婚しても「苗字が変わらない」

「もともと事実婚が多いので、苗字を変えていない人が大半。もしくは、相手の姓を追加して、ダブル苗字にしている人もいます。子どもはどちらか一方の姓を名乗ってもいいし、両方の姓を名乗ってもいい。そもそも、普段、学校などではファーストネームしか使わないので、苗字のことは誰も気にしていないというのが実情です。友達の苗字を覚えていない子のほうが多いのではないでしょうか(笑)」と久山氏は言う。

日本の場合は結婚するといずれかの姓に変わる。学校では苗字で呼ばれることも多いので、苗字が変わると、「ああ、もしかして……」とすぐにわかってしまう環境にあるのとは対照的ではないか。

文=柴田恵理 編集=石井節子

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