仕事が捗る音楽は?32人の編集者・ライター・コラムニストに聞いた「原稿ソング」

ある日、編集部でこんな話題が出た。「ねえ、いつも何を聴きながら原稿を書いているの?」

Forbes JAPANのエディター陣はやたらと耳からイヤホンをぶら下げている。インタビューを書き起こしている時以外は、きっと何らか音楽を聴いているのだろう。確かに周囲の音をシャットアウトして、気分を上げながら目の前の原稿に集中するには、音楽は最高のコンテンツである。

ストリーミングサービスも充実してきたことだし、5倍速で筆が進むような、すてきな音楽と出会いたい。そんな思いから編集部は今回、さまざまなメディアで活躍する編集者・ライター・コラムニストのみなさんに協力を仰ぎ、一体どんな音楽を聴きながら原稿と向き合っているのか、アンケートを取った。

気鋭の編集者・書き手32人の「原稿ソング」が、すべてのイヤホンワーカーのみなさまのお役に立てることを願って──。
(以下順不同)

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BuzzFeed Japan 記者・編集者 神庭亮介

"tofubeats『水星』、□□□(クチロロ)『朝の光』、Small Circle of Friends『波よせて』、キリンジ『Drifter』あたりはヘビロテしてます。激しい音楽よりはチルい曲の方が原稿がはかどる(気がする)。

あとはYouTubeにオススメされるまま、サザンオールスターズ、Mr.Children、スピッツといった王道のポップスを漂流してますね。すぐ口ずさめるし、リラックスできます。


NewsPicks Brand Design 川口あい

ザ・チェインスモーカーズ、カルビン・ハリスなど、アガるEDM系!




ジャーナリスト / メディアコラボ代表取締役 古田大輔

聞かない。




まつゆう* ブロガー

フレンチポップ、スピッツ、テクノ。




フリーライター・編集 大矢幸世

書くときには無音ですが、情報収集や下調べ、あるいは推敲の際にはSpotifyのMy Daily Mixや直近でライブに行く予定のアーティスト楽曲を聴いています。

その内訳はJorja Smith、Ella Mai、Kehlani、Billie Eilish、The 1975、Drake、Kanye West、Mary J. Blige、common、Little DragonからNight Tempo、パソコン音楽クラブ、崎山蒼志、中村佳穂、岡村靖幸、DREAMS COME TRUE etc etc...とてんでバラバラです。

(DREAMS COME TRUEは25年来のファンでいつか取材したいくらい別格の存在ですが…)




朝日新聞withnews編集長・奥山晶二郎

ニッポン放送、電気グルーヴ、水曜どうでしょうの副音声。




編集者、ライター 嘉島唯

・坂本龍一さん:重い原稿を書く際に聴いています
・Kasabian、Justice、凛として時雨:BPMが高めで気持ちが高ぶるので
・椎名林檎:好きなアーティストで気分が高まるため


narumi 鳴海淳義

BuzzFeed Japan / SeniorEditor 鳴海淳義

アーティストの楽曲はほとんど聴いてなくて、ポッドキャスト(https://donguri.fm/n/nfe10f5b247fc)が多いです。




ライター/エディター 松尾友喜

スピッツや星野源の曲をよく聴きます。スピッツは「ロビンソン」「優しいあの子」などが好きで、爽やかな曲調なので原稿を書いているときに心地よく聴けると思っています。

星野源の「くだらないの中に」「夢の外へ」など、比較的初期の曲は歌詞がマニアックでちょっと笑えるので、疲れて元気を出したいときに聴いています。




フリーライター 赤木智弘


平沢進 ムーンライダーズ 単純にファンだから。




島田祥輔、サイエンスライター

日向坂46、乃木坂46、水樹奈々、Perfume、ゲームのサントラなど。

理由:なるべくテンポの速い曲をかけて勢いをつけたい。また、案件ごとにアーティストを変えて、このアーティストが流れてきたらこの原稿を始めるきっかけにしている。




Forbes JAPAN コミュニティプロデューサー 井土亜梨沙


音楽を聴くと歌詞に集中してしまうので、音楽は基本的に聴いていません!音楽聴きながら楽しそうに原稿を書く人がとても羨ましいです。



Forbes JAPAN WEB編集部 坂元こうじ

HIP HOP 、Piano系ハウス、など。




Forbes CAREER編集長 後藤亮輔

基本、聞かない。ただ、以下2つの状況下の時はそれぞれ聞くアーティストが変わります。
①タイトルのワーディングが出てこない際=東京事変 
②集中したい時=Anomalie。
最近、『マチネの終わりに』を見たので、「幸福の硬貨」を聞きます、穏やかになれます。


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Forbes JAPAN Web 編集部 エディター石井節子

アレクサに「smooth jazzをかけて」(あたりさわりなくて考える邪魔にならないから)。




Forbes JAPAN Web編集部 松崎美和子


踊りだしたくなる、テンションぶち上がる曲。映画「バーレスク」「ザ・グレーテストショーマン」のサントラはヘビロテ!




Forbes JAPAN ソーシャルメディアエディター えるあき

あいみょん、椎名林檎、theXX、原稿の内容によって変わります。




ライター 本多カツヒロ

無音、カフェの騒音を出すアプリ、聞くときはアーティストではないですが、SpotifyのlofiHipHopのプレイリストを聞いています。




Forbes JAPAN Web編集部 督あかり

Rina Sawayamaさん。30UNDER30の取材をきっかけに聴き始め、気分を盛り上げ、気持ちを込めるエンジンになる。最近は、井上陽水さんのシュールな世界観をyoutubeでラジオ感覚で流しながら書くのにハマっていた。



Forbes JAPAN Web編集長 林亜季

山下達郎さん。タイムレスで美しい声とメロディの浮遊感が最高です。今年は2回ライブに参加でき幸せな年でした。

今年、原稿に向き合いながらよく聴いたアルバムはトロ・イ・モア『Outer Peace』、『Boo Boo』、メトロノミー『Metronomy Forever』、タキシード『Tuxedo III』。

とびきりディープな原稿に向き合うときは、井上陽水さんです。


LEON 近藤高史

竹内まりや、松任谷由実など。日常のありふれた世界観での女性のリアルな言葉が歌詞になっていてとても参考になるから。


Forbes JAPAN Web Official Columnist 砂押貴久 


自分の世界に入る時は、アンビエントやミニマル・ミュージックを中心とした自作の作業用BGMを聴きます。インタビューした方の原稿を書く時は、その人の雰囲気に合う音楽にする時も。


編集者 青山鼓

グレン・グールドが弾く「ゴルトベルク協奏曲」。歌詞が入った音楽は邪魔になるし、ただのきれいなピアノ曲はリラックスしすぎてしまうので。


編集者、20代

Porter Robinson / Madeon / Passion Pit
テンション上げて没頭したいので、テンポが良くてなるべくボーカルが入っていないもの。日本語の歌詞は集中できないので聞きません。 

ガイド本編集・20代後半女性

・弦楽セレナーデ/チャイコフスキー
・ピアノ協奏曲/ショパン
など、クラシック
(理由:歌詞や言葉などが頭に入ってこないように。)

ネットメディア、40代男性

無音(歌詞やメロディがあると気が散るため)
書籍編集、40代男性

音楽は聴かない。

インタビューアー・ライター 伊勢真穂

特定の曲はなく、インタビュー相手に好きな曲やアーティストをおうかがいできた時は、その曲を流しながら原稿を書くことが多いかもしれません。

それ以外なら高木正勝さん。または映画のサントラ。例えば、「はじまりのうた」「We Bought a Zoo」。リラックスできる音楽が基本です。
雑誌WEBメディア、30代男性

辻井信行さんのdebutを聴きます。原稿を書くときは余計な言葉が入ってこないように歌詞のある曲は聴きません。また感情を持っていかれるようなロックやジャズもダメです。そう言った意味でクラシックのピアノソロは、綺麗に聴き流すことができる最適な音楽です。なかでも、天才的な辻井さんのピアノの音色はある次元を超えて、私に刺激を与えることなく、私の原稿に何かをもたらしてくれると信じています。
紙媒体 51歳 離婚歴あり。

Bill Lazwell& Gigi. プリティブだから。LedZeppelin「Physical Graffti」ドラムの音が好きだから。ただ、原稿を書くときは基本的に音楽は聞かない。息抜きの時にジャンベとか土着の音や上記のズンドコorベースの原始的なものを聞くくらい。

編集者・40代男性

マイアヒラサワ「Happiest Fool」(スウェーデンの女性シンガーソングライター。なかなかハッピーな曲が多い)

Forbes JAPAN Web編集部 30代 女性

Apple MusicのBrowse>Music by Mood>Chill>The Loungeというプレイリストを聞いています。原稿を書く時は、歌詞があると気になってしまうので聴くのは音だけです。

「産みの苦しみ」に寄り添い、クリエイティビティを刺激してくれる音楽。いまや、音楽を聴きながら仕事をするのは普通のことなのだ。結論としては、聴かない方が集中できる、という人も確かにいるが、多くがそれぞれの「原稿ソング」を持っていることがわかった。

文=林亜季

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