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2019.11.24 07:00

アメリカで起業するならどの州がいい? ベストとワーストを発表

ユタ州ソルトレークシティの夜景(Checubus / Shutterstock.com)

ユタ州ソルトレークシティの夜景(Checubus / Shutterstock.com)

米中貿易戦争は終結する気配がなく、不況が間近ではないかという不安も消えない。その一方で、アメリカの小規模ビジネスは引き続き活気づいている。

中小企業向け金融企業Guidant Financialのリポートを見ると、小規模ビジネスの78%が利益を計上しており、幸福度指数(happiness index)と信頼感指数(confidence index)は共に近年で最高となっている。

ビジネスローン企業Biz2Creditによれば、小規模ビジネスが大手銀行から融資の承認を得られる割合は、2018年9月は26.7%だったが、2019年9月には27.9%に上昇した。

このように、野心を抱く起業家にとって、小規模ビジネスを取り囲む環境は良好なようだ。ただし、ビジネス環境を左右しうる根本的要素のひとつは地理だ。事業を興す都市はもちろん、州によっても、良い結果につながる全体的条件は劇的に異なりうる。

小規模ビジネス向け金融企業シークキャピタル(Seek Capital)は、全米50州を対象に調査を実施し、ビジネスを立ち上げて成功させ維持していきたいと願う起業家にとって、最も好ましい州と最も好ましくない州を判定した。

調査では、21要素の観点から各州を分析した。たとえば、生産年齢人口の5年ごとの増加率や、失業率や就業率といった社会経済学的な要素といったものだ。さらには、非営利団体カウフマン財団の「起業指数」からデータを得た、より具体的な起業家活動に的を絞った要素もあった(具体的には、人口に占める新しい起業家の割合や、必要に迫られたのではなく機会があったから事業を始めた起業家の割合、スタートアップの生存率など)。

では、2020年版「起業に好ましい州ベスト10」と「好ましくない州ワースト10」を紹介しよう。

起業に好ましい州ベスト10(2020年)

調査結果からは、明確な地理的パターンが浮かび上がってきた。起業するうえで好ましい州のトップ10には、アメリカ西部と南部の州が混在している(西部や南部といった分類は、米国勢調査局の定義による)。

一方、中西部の州は全体ランキングの中間に散らばっている。また、起業に好ましくない州ワースト10には、南部と北東部に位置する州が並んでいるが、特に集中しているのが北東部だ。
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翻訳=遠藤康子/ガリレオ

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