挑戦する人と挑戦する企業をつなぐ、Forbes JAPAN 初の採用ブランディング

企業向けソフトウェアの分野においてもっとも成長が著しく、世界で15万社以上が採用する顧客関係管理(CRM)のグローバルリーダー企業。

その名はセールスフォース・ドットコム(以下、Salesforce)。サービスを利用したことがなくとも、耳にしたことがあるはずだ。

だが一方で、同社についてのそれ以上をご存知だろうか。ビジネスと社会貢献を両立させ、働きがいや平等性、ステークホルダー全てを家族として尊重するといった行動が社員から自然と出るような、独自の価値観があることをご存知だろうか。

いわゆる外資系と聞けば、報酬が良い分、成果にシビア、ハイリスク・ハイリターンな印象を抱くだろう。もちろん同社にも、他の企業と同じように売上目標や目標管理は存在する。

私たちが“外資系企業”と聞いて浮かぶステレオタイプ。
それを覆す、Salesforce独自のカルチャーに迫った。

「家族第一」を体現する営業本部長、宮崎

2008年のことだ。紆余曲折のなか2回目の転職先を探していた宮崎盛光は、「一番営業力を磨ける会社を紹介してほしい」と人材エージェントに依頼し、Salesforceに出会った。

「営業力を磨く」という表現に抱くイメージは人それぞれだが、働き方を鑑み、夏は週休3日をチームに推奨することや、上司自身が18時になると子育てのために帰宅する様子は誰も想像しないだろう。

だがこれらは、現在Salesforceの中堅企業向け営業を統括する宮崎が、実際に行った試みだ。彼は全社員が期初に立てる目標の中で、“Family first”という言葉を一番に掲げるほど、自身、そしてメンバーの働き方にこだわっている。

同社においてのFamilyが持つ意味を語る前に、まずは宮崎盛光という人物について紹介したい。彼はなぜ、営業に厳しい会社を自ら志願したのか。そのキーワードは「危機感」と「渇望」だ。



宮崎のキャリアは金融ビッグバン真っ只中の1998年4月から始まる。

経営学部を卒業し、最初の就職先は金融業界、国内のリース業界の先駆者である日本リース(当時)の営業職。ご存知の読者もいるだろう、この約半年後、同社は経営破綻をむかえる。同社が抱えた負債は当時、日本最高額。宮崎は倒産した会社で営業ではなく、債権回収が仕事になった。

その後、同社はGEに一部部門を買収されたが、英語を話せない管理職が大量リストラされるさまを宮崎は目の当たりにし、それを一つの契機に米国へ語学留学に旅立った。

新卒4年目にしてすでに波乱続きの宮崎だが、激動はまだ終わらない。帰国後、友人の紹介で入社した企業で7年勤めていたのだが、ある日、経営層の不正会計によって民事再生法が適用。二度目の倒産を経験し、債権回収の次はクライアントへの謝罪行脚が待っていた。

「営業としてキャリアを積みたいのに、と何度も思いました(笑)。本来、お客様が心を開いてくださった時や受注した瞬間など、他では味わえない体験ができる仕事。謝って怒られるだけの仕事は決して楽しくはなく、そのとき33歳でしたが、キャリアとしても焦りがありました」

このままでキャリアを終わらせたくないという危機感、営業の仕事を心から楽しみたいという渇望──その思いを冒頭の「一番営業力が磨ける会社」という表現に込めた。そこで転職エージェントから紹介されたのがSalesforceだった。



Salesforceらしさの原点、それはOhanaの価値観

Salesforceの社員は世界で3万人以上、日本法人においても急成長を遂げているが、 それを支えるのが、“Ohana(オハナ)”と呼ばれる独自の価値観だ。

Ohanaとはハワイ語で家族という意味を持つ。所属や職階を超えて、かかわる人はみな家族の一員だととらえ、率直にそれぞれの思いを伝えながら酸いも甘いも共有し合う関係。日本語や英語などで意味する血縁関係よりも、さらに広い意味での「家族」を指すのがOhanaだ。

「家族である社員のことを大切にできなければ、クライアントのことを大切にできない」

Ohanaを提唱したのは創業者のマーク・ベニオフだが、宮崎の口から出たのは借りものの言葉ではなく、まぎれもなく彼自身から湧き出た言葉だ。それは彼が自ら実践した施策により、チームメンバーへの影響を与えたことからもうかがえる。

とはいえ彼も当初は、「外資系=個人プレイヤーの集合体というイメージがあった」と過去を振り返る。それを覆したのが入社時に聞いた、 “Don’t win alone, don’t lose alone”という言葉だ。「成功と失敗を全員で分かち合う」といった単なる精神論ではなく、チーム全体の失敗を減らし、結果として個人の成功確率を高める狙いも込められている。

成功・失敗を共有するのはプレーヤーだけではなく、当然マネージャーも同じ。管理職としての宮崎の目標達成は就任4年目が最初だったが、その成功の影には社歴18年、ベテラン社員からのアドバイスが大きく起因していた。

プレーヤーとして優秀なほど部下の一挙手一投足が目に付き、事細かに指導をしがちだが、その大先輩が宮崎に教えたのは、任せること。部下には目標を示し、信用していることを伝えるだけ。すると、いくつもの選考を経て入社した優秀な社員たちは、自分たちのやり方で目標に到達するとアドバイスされた。

「過干渉をやめたことに加えて、最近は家族の事情などが発生した時は、自分にとって今どうすることが本当に一番大事かを考え、行動するようにと伝えました。すると、今まで100%を少し超えるくらいだった目標達成率が200%超に。私生活が安定してないと、仕事もうまくいかない。だから私生活を大事にしなさいというメッセージが、売上にも大きな影響をもたらしました」

もう一つ、社員を大切にする同社で忘れてはならないのが、“Equality”(平等)。ジェンダーレスやダイバーシティを謳う企業は多いが、Salesforceはその本気度で一線を画する。陣頭指揮をとるのはCEOだが、同社には最高経営責任者に加えてもう一人のCEOがいる。それがChief “Equality” Officerというユニークな存在だ。彼らをはじめ、社員一人ひとりが真の意味での平等を実践する。

宮崎はあるとき、女性の部下の給与が微増したことに気づき、人事に理由を尋ねた。回答は「平等」の一言。同じ仕事なら男女や人種によって待遇差があってはいけないと、世界全拠点で給与補正を行った。一人の額ではちょっとしたことにも思えるが、総額1030万ドルを投じてまで給与補正をする会社が他にあるだろうか。



製品を売ること、それは社会貢献に直結するエコシステム

さて、Salesforceといえば最近よく耳にするようになった、「カスタマーサクセス」という概念を浸透させたことでも有名だ。この本家とも言える同社では、それがどう実践されているのだろうか。

一つは営業現場。部下から提案内容の相談を受けると、宮崎は必ず「その提案はカスタマーサクセスを実現できるのか?」を常に問う。目先のノルマよりも、顧客の成功を優先するのだ。

「些細なミスでも対応を誤ると積み上げてきた信用を一瞬にして失う時代です。“integrity”(倫理観)が社内の共通言語になるくらい、その点は大切にしています。いくら売上がほしくても無理やり売ることはしません。自社の利益も含めて、双方に意味のある契約を結んでこそ、本当に強い営業だと思います」

なぜそこまで顧客目線が徹底できるのか。それは、製品を売ることが社会をより良くすることに繋がるからだ。

同社の主な製品は、「顧客とその先のお客様がより良い体験をし、双方の満足を飛躍的に高めること」を目的に開発・提供されている。そのためSalesforceでは、お客様が製品を使って成功することこそが、自分たちが間接的に社会に価値を提供したと考える文化がある。

さらに「1:1:1」と呼ばれる、創業以来続く社会貢献制度の存在も大きい。

社員の就業時間、株式、売上高それぞれの1%をNPOに提供しており、製品を売れば売るほど社会貢献に寄与できる仕組みだ。「営業としてこれほどのやりがいはない」と宮崎も語る。

紆余曲折を経て宮崎がたどり着いたSalesforce。彼は今や、創業者のある言葉を日本で体現する一人となった。

──企業は世界をより良い場所にするために存在する

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