ウーバーは車内の録音のテストプログラムをブラジル及びメキシコで実施した後、米国にこの制度を導入する計画だ。このニュースはウーバーの社内文書を入手したワシントン・ポストが報道し、ウーバー側はこれが事実であると認めた。
録音制度が始動する地域では、乗客とドライバーは事前にウーバーのアプリとEメールを通じ、音声が録音されることを通知される。レコーディングは自動で行われ、目的地に到着するとアプリが利用者に問題が無かったかを尋ねる。
万が一、問題が発生した場合は、数タップで音声ファイルつきの報告が行える。
音声ファイルは暗号化されており、乗客やドライバーは、過去にさかのぼって問題を報告できる。ただし、乗客やドライバー自身が録音を聞くことは認められておらず、音声ファイルは警察などの当局の関係者向けに保存されるという。
ウーバーの広報担当者によると、暗号化された音声ファイルは利用者及びドライバーのスマホに記録され、暗号の解読キーはウーバーが管理するという。
ウーバーはこれまで安全性の向上に向けて、アプリから即座に緊急通報を行える機能を追加していた。今回の録音機能によって、問題が起きた場合に証拠が残せるようになる。
しかし、乗車中の音声の録音がプライバシー侵害の懸念を引き起こすことは明らかだ。乗客が車内から外部に電話をかけた際の、会話内容も録音されるからだ。また、会話の録音に関わる法律は、州ごとに異なっている。ウーバープールのような乗り合いサービスでは、一部の乗客が録音に異議を申し立てた場合、全行程での録音に影響が及ぶことも考えられる。