米国で「大麻税」法案が可決、税収で薬物使用者の復帰を支援

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米国議会で11月20日、大麻を非犯罪化し、連邦レベルで「大麻税」の導入を目指す画期的な法案が可決された。ただし、この法案が共和党が実権を握る上院で承認を得られるかどうかは定かではない。

米国の各州は近年、大麻の解禁を進めているが、連邦レベルで大麻は現在、ヘロインやMDMAと同じスケジュール1の薬物に指定されている。今回、米国下院司法委員会で可決された法案は、大麻をスケジュール1から除外するものだ。

この法案が制定された場合、各州が大麻に関し独自のルールを定めることが連邦レベルで許され、個人の大麻関連の犯罪履歴が抹消されることになる。さらに、アメリカ合衆国退役軍人省と提携する医師が、PTSDなどの治療のため、退役軍人に医療大麻の使用を推薦することが可能になる。

また、全米で販売される大麻に5%の「大麻税」をかけ、その税収により薬物犯罪履歴を持つ人々に職業訓練を与え、社会復帰を促すことが可能になる。

しかし、この法案のさらなる審議日程は決まっておらず、今後は上院のメンバーからの強い反発に直面することも予想される。

民主党議員で下院司法委員会の議長を務めるジェロルド・ナドラーは、この法案の文言の詳細は今後、変更される可能性があると述べた。また、上院の承認が得られない限り、法案は効力を持たないと話した。

今回の法案には50人の議員らが賛成票を投じた。来年の米国大統領選の有力候補のエリザベス・ウォーレンやカマラ・ハリス、コリー・ブッカーらは賛成した。

米国の11州とワシントンD.C.では、大麻の娯楽目的の使用は合法化されており、医療大麻を解禁した州は、33州にのぼっている。ピュー研究所の調査では、米国人の3人に2人が大麻の合法化を支持している。

編集=Forbes JAPAN編集部

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