米国の各州は近年、大麻の解禁を進めているが、連邦レベルで大麻は現在、ヘロインやMDMAと同じスケジュール1の薬物に指定されている。今回、米国下院司法委員会で可決された法案は、大麻をスケジュール1から除外するものだ。
この法案が制定された場合、各州が大麻に関し独自のルールを定めることが連邦レベルで許され、個人の大麻関連の犯罪履歴が抹消されることになる。さらに、アメリカ合衆国退役軍人省と提携する医師が、PTSDなどの治療のため、退役軍人に医療大麻の使用を推薦することが可能になる。
また、全米で販売される大麻に5%の「大麻税」をかけ、その税収により薬物犯罪履歴を持つ人々に職業訓練を与え、社会復帰を促すことが可能になる。
しかし、この法案のさらなる審議日程は決まっておらず、今後は上院のメンバーからの強い反発に直面することも予想される。
民主党議員で下院司法委員会の議長を務めるジェロルド・ナドラーは、この法案の文言の詳細は今後、変更される可能性があると述べた。また、上院の承認が得られない限り、法案は効力を持たないと話した。
今回の法案には50人の議員らが賛成票を投じた。来年の米国大統領選の有力候補のエリザベス・ウォーレンやカマラ・ハリス、コリー・ブッカーらは賛成した。
米国の11州とワシントンD.C.では、大麻の娯楽目的の使用は合法化されており、医療大麻を解禁した州は、33州にのぼっている。ピュー研究所の調査では、米国人の3人に2人が大麻の合法化を支持している。