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合意の締結によってイランへの抑圧、そして、中東におけるイランの同盟国や受益者たちへの抑圧が取り除かれた結果、ヒズボラは活動範囲を最大に広げたばかりか、経済的憂慮からも解き放たれる結果になった。このことも、2015年のイランの核兵器開発防止にむけた合意締結に反対する者があった理由の一つだ。

「イランによるヒズボラへの支援は経済的なものだけでなく、何万基ものミサイルやロケットシステムや軍事・諜報機器を含む軍事的支援が主であると、覚えておくことが重要だ」

フォーブス・イスラエルの取材に応えて強調するのは、エイモス・ギラッド少将(予備役)だ。「イランによるヒズボラへの軍事支援の金銭的価値は膨大で、何十億ドルぶんもの価値がある」

イランがヒズボラを始めテロ組織に注ぎこむ金額の大きさからは、同国が、中東における地盤強化という戦略的計画を、どれほど重視しているかがわかる。

大金には付随する「代償」も

ヒズボラはもはや「田舎の民兵集団」ではなく、テヘランから派遣され、イラクを通ってシリア、果てはイェメンまで長く伸びる、タコのような腕の重要な一本だ。「ヒズボラはイランの組織的戦略の、中心的存在だ」とギラッド少将はいう。

大金に付随するのは受け取り手が払わねばならない「代償」だ。2013年以来、ヒズボラの指導者たちは、その人員の3分の1ほどに相当する約9000人をシリアに送りこんで来た。イランの宗教的「同志」であるアサド政権側で闘わせるためだ。

ワシントン中東政策研究所によれば、現時点でシリアでの戦闘で死亡したヒズボラの戦闘員は約1600人。負傷者は5000人を数える。これはシーア派のテロ組織が支払うにはかなり高い代償だった。

実は、「イラン」と「麻薬」の2大キーワードのみならず、ヒズボラの資金集めは実に巧妙だ。そう遠くない過去には、緊急の流動性の問題から、数十万ドルでやりくりしなければならなかった時代もあったため、ヒズボラは資本源を分散させるすべを体得したのだ。

その結果、組織が集めた資金や支援は、「慈善事業」にカモフラージュされたり、民間の実業家が運営する不動産取引業や中古車ディーラー屋などを通じて、世界中に隠されている。

イタイ・ゼホライ=文 翻訳=松本裕/トランネット 編集=石井節子 写真=Forbes Israel提供

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