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2019.11.20 20:00

米国で大ヒットのギリシャヨーグルト「チョバーニ」を作った男

チョバー二のヨーグルト(Getty Images)

チョバー二のヨーグルト(Getty Images)

米国では「チョバーニ(Chobani)」という名前のギリシャヨーグルトが定番となっているが、同社CEOのハムディ・ウルカヤ(Hamdi Ulukaya)は乳製品以外の分野にも進出しようとしている。チョバーニは先日、オーツ麦のドリンクやクリーマーなどを発売するとアナウンスした。

「オーツ麦はヨーグルトのように古くから親しまれている食品であり、もっと注目されるべきだ」と、トルコの酪農一家で育ったウルカヤは声明で述べた。ニューヨークに本社を置くチョバーニは、オーツ麦製品で初めてヨーグルト以外の分野に進出する。

チョバーニのオーツ麦製品の競合となるのは、ダノン系列のSilk、Planet Oat、そしてスウェーデンのオートリー(Oatly)だ。オートリーは2016年に人気に火が付き、2018年には供給不足に陥ったほどだ。

米農務省のデータによると、2018年のアメリカ人の牛乳消費量は2008年と比べて18%減少した。一方で植物性ミルクの市場は成長しており、2024年には市場規模が210億ドル(約2兆3000億円)を突破するとの報告もある。

ウルカヤは2015年にフィラデルフィアに本社を置くコーヒーチェーンLa Colombeに出資しており、以前からオーツミルクの人気に気づいていたという。

チョバーニは乳製品を使ったクリーマーの販売も開始する。フォーブスは2018年の同社の売上を15億ドル(約1600億円)と試算している。チョバーニは、ヨーグルト市場では20%近くのシェアを持っている。

チョバー二のハムディ・ウルカヤCEO
ハムディ・ウルカヤCEO(Getty Images)

ウルカヤは1994年に米国に移民としてやってきた。最初に住んだのはニューヨーク州北部の街で、そこは故郷のトルコ東部の農村を思わせるような場所だったという。そして2005年、この地域にあった古いヨーグルト工場を買収し、ヨーグルトを作り始めた。

現在チョバーニで働くおよそ2000人の従業員のうち30%は移民や難民で、英語の授業も受けられるようになっている。フォーブスはウルカヤの保有資産を20億ドルと推定している。

編集=上田裕資

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