「ハートドリブン」はクリエイティビティを圧倒的に高めるための処方箋だ

(左)アカツキCEOの塩田元規氏 (右)予防医学博士の石川善樹氏


石川氏:そうだね。最近は思考術とかライフハックとか、DOへのフォーカスがすごく多いけど、「BEもDOも両方大事」という提案をしたいし、ハートドリブンはそういう本だと思ったね。

塩田氏:そうそう。僕もそう思ってる。

「ハートドリブン」を実践できれば、クリエイティビティは圧倒的に高まる



石川氏:これは、「ハートドリブン」はこういうこと言いたい本だよねっていうことを僕なりに図解してみたもの。縦軸に、Internal(ひとり)とExternal(みんなで)を置いていて、横軸にFeel(BE)とThink(DO)を置いていて、これをぐるぐると回すことの重要性を説いた本だと思うんだよね。

この4つの象限の「みんなでDOする」というのは、通常の職場の活動で、目標に向かって動いているイメージ。一方で「みんなで BEする」というのは、飲み会とかタバコ部屋での会話のような活動。「ひとりでDOする」は企画書考えるようなイメージで、「ひとりでBEする」というのが、何日間かホテルや会議室にこもって考え事する感じかな。

この4つのモードを自分なりにバランスをとって、ぐるぐると回していくことが、Good Lifeだと思う。4つをきちんと回していくことこそが、クリエイティビティを圧倒的に高めることにつながるけれど、みんなどこか偏りがあって、バランスが崩れているはず。

そうだ、これを聞いてしまったら人生観変わっちゃうと思うけど、話してもいい?(笑)。

塩田氏:いつもそういう前置きするよね(笑)、どうぞ。



石川氏:脳内って、様々な箇所が活性化していて、それらが全てネットワークになるんだけど、主要なものは3つで、デフォルト・モード・ネットワーク(DMN)とサリエンス・ネットワーク(SN)・エグゼクティブ・ネットワーク(EN)。

イメージとしては、DMNはアイデアを出すところで、100個くらい発散する。そして、SNが絞り込むところで、3個くらいに絞る。ENは決定するところで、最後のひとつに決めるんだよね。

思考法でいくと、DMNが直感でSNが大局観、ENが論理なんだけど、クリエイティブな人はこの3つのモードの切り替えが上手い。普通の人は大抵、1つのモードしか使っていないから。

論理を鍛えるのは簡単で、因果関係を考えるだけ。つまり、Thinking。一方で、直感を鍛えるのはFeelingを研ぎ澄ませることだから、好き嫌いをはっきりさせる。セミナーのアンケートに答える機会がある方も多いと思うけれど、5点満点だったら、1か5で判定する。真ん中をつけない。自分は何が好きで嫌いなのかを、自分なりに理解することが大事だと思う。
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構成=伊勢真穂 写真=小田駿一

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