来場者のタイプも年々変化しているようです。5、6年前までマイアミの「Ultra Music Festival」などの世界のフェスティバルに行っていたような流行に鼻が利く人たちが、去年ぐらいから「アート・バーゼル」に足を運び始めているようなんです。そんな流れの中で、彼らの行き先の選択肢として、コンプレックスコンが加わった。
トレンドの先取りをすることが得意な人を呼び寄せているのでしょうか。このトレンドを、初年度からアートディレクターを務める村上隆さんは感じているはずです。
また、開催初年度は、日本人の姿はほとんど見なかったと聞いていますが、今年は、アメリカ国内に次いで、日本ブランドが多く出展をしました。ちょうど今年は、日本からの注目度を急激に集めた年だったと思うんです。そこで「PuChu!」を展開できたのはよかったですね。
アカツキライブエンターテインメント代表取締役CEO香田哲朗とリアル株式会社代表取締役/クリエイティブディレクター 小橋賢児
現地の人は日本のキッズパークをどう見たか
香田:今回の出展で、営業件数などの数値目標は決めていません。アメリカでプロトタイプを発表して、それに対するリアクションから新たなニーズを感じることが重要だと思っています。
これからどう「PuChu!」が広がるのか、僕たちにも分かりません。大きな可能性を感じているからこそ、着地点やリターンは明確になっていませんが、一回思い切りバッドを振ってみたんです。
コンプレックスコンのような、展示会、見本市と呼ばれる場所では、未完成のものを多くの人に見てもらうことから、ビジネスが始まることもありますしね。
小橋:実際に、スタジアム関係者や、おもちゃメーカーの社員、他のフェスを主催してる人もきてくれました。遊びに来てくれた人からは、いいリアクションをもらったと思います。「PuChu!」の名前は知らなくても、「なんだか面白そうなものがある」と多くの人が集まってくれました。
アトラクションのメインであるボールプールには年齢制限がないからか、「Excellent!」と言って遊んでいる大人の比率が高かったですね(笑)。このボールに、VERDY君が手がけたキャラクターがデザインされていることもあって、初日は多くのボールが持ち帰られてしまってもいます。
香田:出展が決まったのは、今年の7月。VERDY君がコンプレックスコンにプレゼンをしてくれて、急遽準備を進めました。コンプレックスコンのために日本で作ったコンテナ型の「PuChu!」を船でLAまで運んで、あっという間でしたね。
こうして、横浜の「PuChu!」が入居する「アソビル」が完成する前から二人で話していたことが、段々と形になっていきました。