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ただ、連邦政府機関でヘンプとCBDの規制に本腰を入れはじめたのは、現時点では農業省だけにとどまっている。食品医薬品局(FDA)はCBDを成分とするてんかん治療薬「エピディオレックス」を承認しているものの、CBDについては、FDAの規制対象である医薬品の活性成分に分類している。

FDAは10月末、「さまざまな種類のCBD製品が合法的に市販されるようになる経路の可能性」を引き続き探っていくと表明した。CBD製品の製造は、現在はFDAの審査対象外だが、農業省の動きを受けて状況が変わる可能性も出ている。

例えば、業界団体の米食品製造業協会(GMA)もFDAに対して、CBDに関して「入り組み、矛盾するものも多い州や地方自治体の規制」に代わる、最終規則を定めるよう求めている。

一方、農業省は、精神活性作用があり、CBDに含有されることもあるテトラヒドロカンナビノール(THC)についても、規制の整備に取りかかっている。同省によれば、ヘンプのTHC含有量の上限を、カナダをはじめとする多くの国と同じ0.3%に定める方向という。FDAもそれに準じる公算が大きい。

CBD製品をめぐっては、人気の陰で誇大広告も目につくようになっている。CBDを、万能薬か何かのように思い込んでしまう消費者もいるようだ。だが、規制が整備されれば、そうした状況も改善するかもしれない。

FDAはこれまでに、CBD製品について医薬品のような効能があるとうたうメーカーに警告を発している。連邦政府が規制の整備を進めるにつれて、製品の売り文句からうそや誇張が減っていけば、メーカーの淘汰(とうた)も進んでいく可能性がある。

CBD関連企業にはマネーが向かうようにもなっている。米たばこ大手アルトリア・グループは、カナダの大麻製造会社クロノス・グループに18億ドルを出資した。先に触れたアリゾナ・アイスティーだけでなく、ビール会社なども売り上げアップにつなげようとCBD入りの製品開発を進めている。

CBD市場がこのまま急成長を続けていけば、GMAが求めるような連邦政府による規制が整うのはおそらく時間の問題だろう。

確かに規制を嫌がる業界は多いが、CBD市場が食品・飲料業界で真に離陸するためには規制整備が不可欠だったと、後になれば分かるだろう。まず農業省が動きはじめ、FDAもそれに続こうとしている。ようやく連邦レベルの規制が整いそうな気配だ。

企業側にとっては、事業に当たって準拠できる基準ができるということが、それは煩雑な事務手続きに対処しなくてはならなくなる(そのためのコストが発生する)ということでもある。ただ、それと引き換えに、製品は品質が管理され、消費者は保護され、企業も一層の成長が期待できるようになる。全米規模のCBD市場は、大麻の幻覚が生み出すような夢物語ではなくなりつつある。

編集=江戸伸禎

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