Eメールより「テキストメッセージ」が重要、市場調査で判明

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スマホが普及して以降、コミュニケーションにおいて重要性が高まったのが、SMSなどのテキストメッセージ経由のやり取りだ。相対的にEメールの重要性は低下している。

マーケティング企業Sinchが、近年の消費者にとってメッセージがいかに重要になったかを示すレポートを公開した。ここでいうメッセージには通信キャリアのSMSだけでなく、フェイスブックメッセンジャーやワッツアップなども含んでいる。

ここ数年でEメールの地位が下がった背景には、受け取るメールの数が多すぎることがあげられる。平均的なホワイトカラーが1日に受信するメールの件数は121件に達しており、企業が消費者にリーチしようとしても不可能な場合が多い。

Sinchが2300人の消費者を対象に実施した調査の結果、回答者の40%がEメールの受信ボックスに最低50件以上の未読メールがあると回答した。さらに、10人に1人は、未読メールの数が1000件を超えていると答えた。

しかし、テキストメッセージに関しては、状況は全く異なっている。未読のメッセージが50件以上あると答えた人の割合は、わずか4%に留まっていた。Sinchのチーフ・マーケティング・オフィサーのJonathan Beanは、「テキストメッセージは現代の消費者とリアルタイムのコミュニケーションをとる上で、ベストな選択肢だ」と述べている。

「企業がリマインドや通知を消費者に発信する上で、最も効率的な手段がテキストメッセージである」とBeanは続けた。

Eメールはメッセージよりも、消費者とディープなやり取りをすることが可能だが、これに関しても若い世代では変化が見られるという。「ミレニアル世代とZ世代においては、全体の4割がスパムの受信専用のEメールアドレスを持っている」とSinchは分析した。

一方で、近年は金融や旅行関連などの様々なアプリが、消費者とダイレクトに結びつこうとしているが、ここにもブランドの思惑とユーザーの行動との間に乖離が見られることが分かった。

自分が利用する銀行から、不正なトランザクションの警告を受けとることが有意義だと考える消費者は全体の7割に達しているが、実際にアプリ経由でアラートを受け取っているのは全体の35%程度に留まっていた。

さらに、旅行アプリの利用者の大半が、飛行機のキャンセルなどの予定の変更の通知を受け取りたいと述べたが、実際にアプリから通知を受け取る消費者の割合は4割程度に留まっていた。

また、最も意味の無い通知とみなされているのが、Eコマースのショッピングカートに入れたままになっているアイテムに関する通知だった。これに関して、通知を受け取りたいと述べた消費者は全体の30%に過ぎず、「全く必要ない」と答えた人の割合も30%に達していた。

編集=上田裕資

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