Close RECOMMEND

世界38カ国、800万人が愛読する経済誌の日本版

電通 クリエーティブディレクター 菅野薫氏

これまで一部の企業を除いては別々に語られることが多かった経営(ビジネス)とクリエーティブ(デザイン)。それが昨今、2017年の経済産業省・特許庁の「デザイン経営」宣言をはじめ、巷に「デザイン思考」「アート思考」などの言葉が溢れ、両者が急接近している。

しかし、その新しい関係構築を目指す企業が増える一方で、具体的に何から始めれば良いのか、どんなクリエーターと組めばいいのかなど、暗中模索する声も聴こえてくる。

そんな中、昨年10月、数多くの受賞歴をもつ電通 クリエーティブディレクターの菅野薫が、クラウドファンディング事業を手掛けるREADYFORに参画した。トップクリエーターがスタートアップにジョインする意義とはなにか? 経営者とクリエーターの理想の関係とは? 話を聞いた。


ビジネス×クリエーティブを「再発明」

菅野がREADYFORに関わるきっかけになったのは、旧知だった米良はるかCEOからの依頼だったという。菅野の“クリエーティブアドバイザー”就任と時を同じくして、READYFORは初の資金調達を実施し、リブランディングを検討していた。

当時を振り返り菅野は、「米良さんと食事しているときに手伝ってほしいと相談されたので、会社を通して受ける通常の仕事のやり方とは違うことを求めているんだな、とは認識していました。でも正直なところ、“お手伝い”の範囲がどこまでなのか、あまり分かっていなかったですね(笑)」と話す。

というのも、ブランドのリニューアルやアイデンティティを定義する仕事をしてきた中でも、今回のような関わり方は珍しかったからだ。「僕自身、クリエーティブアドバイザーという職自体は初めてだし、おそらく業界内でも似たような事例は少ないかもしれないです」

TVCMや新聞広告など長い歴史を持つメディアには、ある種のフォーマットがあり、方法論が築かれ、大きなビジネスが動いている。しかし新しいテクノロジーの登場によってその構造が変化し、企業コミュニケーションを旧来メディアだけに頼る必要は薄れつつある。

「経営とクリエーティブが密接に関わり合っていくのはすごく意味があることだし、時代の流れを見ても、これまで以上の可能性を感じています。大企業のように単発のプロジェクト毎にチームを組むのではなく、一貫性をもって継続的に育てていくようなブランディングやコミュニケーションに挑戦するのであれば、是非協力したいと思ったんです」(菅野)

READYFORのロゴ

メディアの構造そのものが変わりゆく中、菅野はREADYFORに関わる以前から「ブランドとクリエーティブの関係性は、再発明されるべき」と考えていた。READYFORの主幹事業であるクラウドファンディングは、投資や金融の在り方を再定義する事業。クリエーティブと企業の関係性も同様に、「従来のようなメディアバイイング前提の設計から変わっても良いはずだ」という思いがあったのだ。

構成=筒井智子 編集=谷本有香 写真=READYFOR提供

PICK UP

あなたにおすすめ