比較サイトへの関心と、弁護士を探すのに苦労した経験という関心の掛け合わせにより、弁護士ドットコムのサービスは生まれました。
本サービスを思いついた2004年は、インターネットが勢いを増してきた時代。弁護士についてインターネットで検索をしながら、整理されていない情報量に困り果て、さまよっている人がたくさんいるのではと思いました。
実際に調査してみると、弁護士ドットコムのようなサービスは、未だ日本にはないことがわかりました。「血沸き肉躍る」とはまさにこの時の感覚ですね。
一方で、当時私は、アンダーソン・毛利法律事務所(現:アンダーソン・毛利・友常法律事務所)に勤めていたので、当然のことながら私への親身な気持ち故に両親や友人にはこのサービスをスタートすることに反対されました。
自分の声に耳を傾け続けることで道は拓かれる
──そうした反対の声や世間からの批判をどう乗り越えていったのですか?
「自分の心の声に応えよう」と常に言い聞かせていました。
弁護士は弁護士として活動することが常識だと思われている時代に、心の声だけを頼りに思い立ったが吉日、サービスを思いついた1週間後には辞職届を出し、事業の立ち上げに向けて準備を進めました。
加えて、弁護士を身近にしたい、そして競争が進む弁護士の世界における新しい弁護士の生き方を背中で示してみたいという思いも強かった。
起業家には、「前向きさ」「素直さ」「粘り強さ」の3要素こそが大事だとお話ししましたが、創業時に周囲から反対された時も、「前向きに」、自分の心に「素直に」、「粘り強く」やれたからこそ、続けることができたのだと思います。
本当に貫徹したいことであれば、「24時間、365日、寝食忘れて取り組める」はずです。
現在様々なメディアに呼んでいただけたり、株式上場が叶ったりすることで、ようやく多くの方に受け入れていただいたように思います。12年間かかりましたが、自分の心の声に耳を傾け続けたことに後悔はありません。
連載:起業家たちの「頭の中」
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