ファーウェイが「善玉ハッカー」に賞金2400万円を授与する理由

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ファーウェイは以前から、同社のスマホに密かにバックドアが仕組まれているという噂を事実無根であると否定している。そのファーウェイが、グーグルを上回る金額の賞金を用意し、「善玉ハッカー」のためのコンテンストを開催した。

先日、ドイツのミュンヘンで開催された非公開のイベントでファーウェイは、同社の「Mate」や「P」「Honor」シリーズの端末に重大な不具合を発見したハッカーに、最大22万ドル(約2400万円)を支払うと宣言した。この金額はグーグルが同社のPixelを対象とした同様な懸賞金の20万ドルを上回るものだ。

ファーウェイによると懸賞金が支払われるのは、ハッカーがユーザーの端末に直接触れずに、リモートからのアクセスに成功した場合に限られるという。今回のコンテストは、アップルの懸賞金コンテストと同様に招待者限定で行われた。

フォーブスの「30アンダー30」出身のMaria Markstedterはこのイベントに招待され、会場に招かれたハッカーたちには、他の善玉ハッカーを招待する権限が与えられたとツイッターに投稿した。

今回のファーウェイのコンテストに関しては、既にTechCrunchが報じていたが、懸賞金の額や選考方法などの詳細は不明だった。フランスのセキュリティ研究家のRobert Baptisteによると、今回のハッキングの課題にファーウェイのHarmonyOSは含まれていないという。

「ファーウェイは今回の懸賞金つきコンテストで、アップルを追撃しようとしている」とBaptisteは述べた。ただし、アップルは今年8月に賞金額の引き上げを発表し、「ターゲットのiPhoneに一切触れずに、完全な権限を奪った場合」には100万ドルを授与すると宣言していた。

アップルやグーグルらを追撃する形で、ファーウェイが懸賞金つきコンテストを開催するのには理由がある。世界で最も優秀なセキュリティの専門家たちに、端末を検査させることで、ファーウェイは世間で言われる「中国政府の指令を受けて設置したバックドア」が存在しないことを証明できる。

編集=上田裕資

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