スコアが低いと、貸し手にとってリスクの大きい人と思われ、より高い金利を払わなくてはならない。スコアの低い人間を採用しない企業さえある。アパートを借りられないケースもありうるし、保険料が割高になったり、家を借りるときに保証金を支払うよう求められたりする可能性も高い。
クレジットスコアをめぐる注意事項としては、明らかにやるべきではない事柄がいくつかある。たとえば、クレジットカードの支払いが遅れてはならないし、借入残高が多額になるのもタブーだ。ローン返済を滞納したり、破産を申請したりしてもいけない。
しかし、「やってはいけないこと」リストの1位が、「クレジットカードを解約すること」だと知っている人はあまりいない。それどころか、使っていないクレジットカードは解約したほうがクレジットスコアを上げるのに効果的だと考えている人がたくさんいる(要注意:それは間違いだ!)。
それでは、クレジットスコアの影響力について、本当のことをお教えしよう。
クレジット利用率
クレジット利用率(Credit utilization)とは、クレジットカードの利用限度額に対して、借入残高がどのくらいあるのかを示した割合であり、登録しているクレジットカードをあとどのくらい利用できるかがわかる。例えば、借入残高が5000ドルで、利用限度額が1万ドルであれば、そのカードのクレジット利用率は50%だ。
クレジット利用率は、クレジットスコアに大きな影響を及ぼすものだ。正確には、スコア構成要素の30%を占めている。アメリカのFICOスコア(米フェア・アイザック社が開発した信用スコア)では、クレジット利用率を2種類に分けて検討している。
1つめは、クレジットカードそれぞれのクレジット利用率。2つめは、個人が持つクレジットカードすべてを合計した利用限度総額に占める借入残高総額の割合だ。目指すべきは、この2種類のクレジット利用率を30%以下に抑えることである。