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自動運転車はここ数年、自動車業界で熱い注目を集めている。ゼネラル・モーターズ(GM)など既存の大手自動車メーカーから、グーグルの親会社、アルファベットの傘下にあるウェイモ(Waymo)をはじめとするシリコンバレーのスタートアップまで、さまざまな企業が、新たな市場でインパクトを残そうと、つばぜり合いを繰り広げている。

だが、まだ初期段階にあるこの市場でスタートダッシュを決めたのは、どうやら電気自動車メーカーの先駆けであるテスラのようだ。自動運転による走行距離と、自社の自動運転技術の収益化という2つの分野における実績で、テスラは競合他社を大幅に引き離している。

創業以来、テスラが納車した電気自動車は累計78万台に達し、その大半には自動運転機能が出荷時から組み込まれている。この機能は、オーナーが自動運転用ソフトウェアの使用料を支払うことで利用可能になる仕組みで、これによりテスラは自動運転技術の収益化を実現した。

以下では、テスラの自動運転による走行実績をライバル各社と比較すると共に、同社の自動運転ソフトウェアの収益性について、その短期的な見通しを考察する。

テスラの自動運転走行実績は30億キロを突破

・テスラの自動運転による走行距離は、飛躍的な伸びを見せている。2016年5月の時点では約1億マイル(約1億6000万キロメートル)だった累計走行距離は、2019年10月時点では推計18億8000万マイル(約30億2557万キロ)に達した。

・自動運転のアルゴリズムは機械学習に基づいているため、走行距離の持つ意味は大きい。トレーニングに使えるデータが多ければ多いほど、アルゴリズムがより賢くなる傾向にあるからだ。

ライバルとケタ違いの規模を誇るテスラの自動運転データ

・2018年の1年間で、テスラ車は自動運転で推定5億マイル(約8億キロ)を走破し、世界各地のさまざまな道路のデータを収集した。

・一方、自動運転技術を擁する他社の走行実績を見ると、ウェイモが130万マイル(約209万キロ)、GMの自動運転車開発部門GMクルーズはわずか44万7千マイル(約72万キロ)と、テスラと比べて大きく見劣りする。これらの数字はカリフォルニア州内のみの走行実績だが、両社は主に同州で試験走行を行っていることから、走行距離の大部分がカバーされていると考えられる。

巧みなデータ収集戦略で、ライバルを大きく引き離すテスラ

・テスラの自動運転用ハードウェアは、レーダー、超音波、パッシブカメラベースの画像処理などの既存技術に基づいている。そのため、レーザー光を用いるライダー(LIDAR)技術を採用した他社と比べて、システムを安価に構築できる。

・こうした価格面でのアドバンテージから、テスラは自動運転用ハードウェアを、同社が出荷するすべての車両に標準装備として組み込むことができる。ソフトウェアの使用料を払ってこの機能を有効化するかどうかは、オーナーの判断に任せられている。

・これまでに出荷されたテスラ車の累積走行距離は、総計168億マイル(約270億キロ)に達したと推定されているため、テスラが所有する走行データはかなり充実したものになっていると見られる。

2019年、テスラの自動運転ソフトウェアの売り上げは15億ドル(約1632億円)を超える見通しだ。

翻訳=長谷睦/ガリレオ By Trefis Team and Great Speculations.

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