ビジネス

2019.11.27 15:00

サイズで縛ることが、逆に「解放」だ。女性の靴選びに無限の可能性


スーツよりも格段に難しい「計測」へのこだわり


シューズのオーダーメイドは、服ほど一般的ではない。だからこそ、自分に合う、お気に入りを手に入れるために、時に探し回り、時に有名ブランドに自らの足を合わせにいく。

多くの悩みに応え切れないのがシューズだ。「革はのびますから」「この色はこのサイズだけなんです」「どうしてもこの柄が欲しいのに足がきつい」「なんで今季のトレンドが持ってない色なのよ!」

シューズは決してガマンとセットのアイテムではない。理想のシューズに出会えない実体験に基づく消費者の声は、行動を鈍らせる。“ネガティブ”のハードルを、オーダーメイドウィメンズシューズはどう解消するのか。

【シューズフィッティングの工程】

オーダーメイドウィメンズシューズの仕組みはオーソドックスだ。

・リアル店舗でベースとなるデザインを選ぶ
・素材やカラーを選びフィッティングしマイデータに
・最短「1週間」で自宅に届く

このシンプルなシステムはさらに細かい需要に対応する。

・3種類のベースデザインと3種類のトゥデザイ、4種類のヒールの高さと4種類のヒールデザイン。それぞれ組み合わせ自在
・ベーシックカラーを中心にノンレザーとレザー各22種類から素材選択
・21.5cmから26cmの10サイズで各足囲はS・M・L

店舗には圧倒的なバリエーションが「ゲージサンプル」として用意されている。上記10サイズ×S・M・L=30サイズ × 4種類のヒール=つまり「120足」ものサンプル数となり、それはただただ圧巻だし(下写真)、ワイズのバリエーションを用意してくれているのはとても現実的だ。

「お取り寄せですねー」というセリフはここにはない。間違いなく自分にあうサイズが見つかる受け皿だ。

店舗にある膨大な数のシューズサンプル
120足のサンプルは5段10列そして引き出しに格納されている
。

【1週間で届くスピードと品質】

製造は「国内」で行われる。Made in Japanだ。オーダーメイドウィメンズシューズの戦略を担当するコミュニケーション戦略部の鹿島礼子は「最新のCAD・CAM(自動裁断システム)を導入した国内の協力工場から“直接”お客様に発送します」という。

お店でインタビューに答えるカシヤマの鹿島さん
カスタマイズモデルのサンプルが並ぶ同店舗の入り口。鹿島(写真)によれば、季節によってバリエーションの入れ替えも今後の予定のひとつらしい。現在、計測のためのリアル店舗は東京と大阪の2店のみ。今後も出店していく考えだ。

「私たちは、市場の生の声を拾ってこのサービスのための準備を進めてきました。シューズ選びに不満を抱える20代から40代のコアな層に向けて、このサービスが浸透していけばと思っています」(鹿島)
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文=坂元耕二

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