ビジネス

2019.11.27

サイズで縛ることが、逆に「解放」だ。女性の靴選びに無限の可能性

表参道にオープンした「KASHIYAMA オーダーメイドウィメンズシューズ」のリアル店舗

多くの女性にとって、簡単には変えられないアイテムがある。

肌に触れるもの、例えば化粧品やヘアケア製品は普段使いを変えるハードルが高い。感覚的に細胞レベルで自分に合うかどうか、香りやブランドなどフィーリングで私らしさに合うかどうか。

コスメ売り場の試供品や、美容部員さんの丁寧なメイクとアドバイスに高い需要があるのは、女性にとって、お気に入り=切実なことだからだ。そして、さらに大変なアイテムが他にもある。シューズだ。

単純すぎる表現だが、男性の場合は「革靴か、それ以外か」なのに比べ、女性の場合、シューズの形状からして種類が多いうえ、色柄、素材まで多種多様だ。その反面、ビジネスシーンではまだまだ多い“服装規定”や、マナーという名の漠然とした配慮から選択肢が絞り込まれ、気がつけば落ち着いた色と似たカタチのパンプスが並ぶという現実も。

さらには、足の甲幅が広めな日本人にとって、可愛さとサイズ感がマッチせずお店で肩を落とし、ついには、私=これ、という一択も起こり得る。

スーツで先行するKASHIYAMAのオーダーメイドが新サービス


オンワードグループが展開するKASHIYAMAは11月8日より、オーダーメイドシューズ専門の「KASHIYAMA オーダーメイドウィメンズシューズ」を立ち上げた。同社ですでに認知と実績を得るオーダーメイドスーツ「KASHIYAMA the Smart Tailor」のシューズ版だ。

カシヤマ オーダーメイドウィメンズシューズ ウェブサイトの写真
オーダーメイドウィメンズシューズのWEBサイト。計測済みのユーザーはここから新しいシューズを注文できる

KASHIYAMAのスマートテーラーは、スタイルガイドと呼ばれるプロが、店舗、ガイドショップや出張採寸でサイズを計測し、その数値をマイ・データとし、好みの生地や仕立てで、最短1週間で工場からスーツが直送されるというもの。スーツのプロであるKASHIYAMAがオーダースーツに F to C(ファクトリー・トゥ・カスタマー)を導入し成功させた好例だ。

KASHIYAMAは二匹目のドジョウを狙うのか。港区表参道にオープンさせたオーダーメイドシューズのリアル店舗に、その勝算を聞きに行ったのだが、これは二匹目などではなく、シューズのサービスを以って同社の F to C が完成すると知った。
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文=坂元耕二

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