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日常生活のイノベーションを考える


──年2回開催されている感謝祭もその一環でしょうか?

もともとは震災で売上が下がったのがきっかけで、始めました。震災はありましたが、幸いにもここは放射能の汚染が少なかった。データを出せるので、実際に見てもらえば安心してくれるんじゃないかと、感謝祭を開いて人々にアピールしたのです。「飲んで応援しますよ」という人をひとりずつ増やしていくのが風評の払拭につながると思いました。



──最近、「感謝祭」から名称が変わったと聞きましたが?

今年で14回目ですが、これまで毎年「感謝祭」という名前でやってきました。でも、「にいだのひょっとこフェス」に変わりました。地元に「ひょっとこ踊り」という文化がありまして。

このひょっとこの始まりが面白くて、昔から村の祭りがあって酒を飲む席があるのですが、皆、村長さんにひれ伏してしまう。なので、お祭りのときくらいは無礼講で行こうじゃないかと始まったんです。皆がひょっとこのお面をかぶれば、誰が誰だかわからなくなる。言いたいこととも言えるということで使い始めたんです。

年に1度か2度くらいは無礼講もありだと思います。そこから新しい発想が生まれることもありますし、リラックスできるかもしれない。お客さんも、出店者さんも、手伝ってくれるボランティアのサポーターさんも、僕たちも、同じ目線でいい意味での無礼講です。礼節をわきまえた日本人だからできるこのお祭りが続き、地域中で広まり、郡山市中で広まったらいいなと考えました。


リンダ・グラットンが説く「人生100年時代」は、自分たちが今の100年をどのように生きるかを考えがちだ。だが、伝統文化においては、これまでの100年もあり、その先の100年も当たり前のようにある。

100年をどう生きるかではなく、100年後をどうするか。300年前から連綿と続く酒造りのまっただなかにいる仁井田本家の18代目に話を聞いて、そんなことを考えた。自分たちが次の世代に何を残せるか、それこそが重要なのだ。

文・写真=上沼祐樹

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