先進事例に学ぶ広告コミュニケーションのいま

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南仏カンヌで毎年行われている世界最高峰の広告およびマーケティング・コミュニケーションの祭典「カンヌライオンズ」。過去10数回現地を訪れ、審査員も務めた筆者が、広告やキャンペーンの実例を紐解きながら、先進コミュニケーションについて解説していく(過去記事はこちら)。

第3回となる本記事では、ここ数年、ひとつのトレンドとなっている「表現よりもアクションを!」の典型的な事例をピックアップした。自分たちのメッセージを「テレビCMなどのメディア上で表現」して「上手いこと言う」のではなく、「本気が感じられるアクション」で示した話題作を紹介しよう。

2016年のカンヌライオンズにおいて、チタニウム部門グランプリ、プロモ&アクティベーション部門グランプリなど、多数の賞に輝いた「#OptOutside<オプトアウトサイド>(アウトドアに出かけるという別の選択肢)」。これは、全米で143店を展開する「REI」というアウトドア用品店の広告コミュニケーションだ。

「上手いこと言ってるだけ」に敏感な時代

アメリカにはブラックフライデー(黒字になる金曜日)と呼ばれる年末買物商戦の幕開けとなる日がある。具体的には11月の第4木曜日(感謝祭)の翌日だが、この激戦日に、REIはなんと全米143店を休業にし、1万2000人の従業員たちと顧客に「アウトドアに出かけよう」と呼びかけた。


カンヌライオンズの応募に使われた事例ビデオ

「我々はアウトドアライフを大事にする会社だ。自ら行動で示そうじゃないか」というわけだ。このREIの呼びかけは多くの消費者に衝撃を与え、テレビ番組で取り上げられ、SNSでも大いに拡散された。

文=佐藤達郎

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