管理職になりたくない? それでもキャリアを成長させる方法

Antonio Guillem / Shutterstock.com

キャリアの成長について私が受ける質問の大半は、管理職になることについてだ。しかし、私に次の質問をしてくれた読者は、管理職になることを望んでいない。

「現在管理職に就いているけれども一般社員に戻りたい場合、どのようにアドバイスされますか? 管理職に昇進させられた人の多くは、他者の業績に責任を持ちたくないこと、自分の分野での実践的な側面を失い寂しいこと、管理職に必要な事務的作業に耐えられないことなどに気づきます。多くの人から、出世の階段を一段下がる行為だと考えられるようなキャリアの希望をどのように説明すればよいでしょうか?」(カレン)

仕事を変えるときは必ず良い面を強調する

カレンの質問からは、彼女が既に管理職で、その状態を脱したいと思っていることが示唆されている。仕事を変えるときには、理由の説明方法として基本的な選択肢が2つある。1つ目は現在の仕事の嫌な面に言及するネガティブな説明方法で、2つ目は希望する仕事の良い面を指摘するポジティブな説明方法だ。

求職活動では常に前向きな状態を維持し、欲しくないものではなく欲しいものに焦点を当てる必要がある。雇用主には、あなたが現在の役割から新しい役割への移行を感情的に受け入れられず、後戻りするような動きを取ろうとしているのだと思わせないこと。

この2つの違いはカレンの質問の中にも明確に示されている。彼女は、管理職をやめて一般社員の地位に戻りたい理由として考えられる要素を3つ挙げている。その2つは、他者に対する責任を持ちたくない、事務作業に耐えられないというネガティブなものだが、もう1つは自分が働く分野での実地的な側面が欠けていることを寂しく思っているというポジティブなものだ。

チームのために人材を採用する場合、望まない側面について不平を漏らし、次の仕事を逃げ道として希望している人と、その役割に心から引かれている人のどちらを選ぶだろうか?

ポジティブな側面を強調するこの手法は、管理職の役割を提示されたけれども一般社員にとどまりたい場合にも効果的だ。管理職になりたくない理由を挙げる代わり、現在の職務にとどまりたい理由や、あなたが現在の職務にとどまることで会社にどのようなメリットがあるか(これが特に重要だ)に焦点を当てよう。現在の役割にとどまることであなたや会社にもたらされる良い面を売り込み、悪い面には決して言及しないこと。

役割を変更する場合、他者への影響を最小限にとどめる

既に管理職の役割に就いている人は、移行計画を立てて上司にそれをアピールし、残していく人たちを見捨てないこと。同僚を推薦するか人材探しを手伝うことを提案し、自分の仕事を次の管理職に引き継ぐ具体的なプロセスとスケジュールを立てておく。また、一般社員としての役割に順応する計画も用意しておく。上司があなたの頼みを承諾しやすいような状況を作ること。
次ページ > 報酬の変化も考慮に

翻訳・編集=出田静

ForbesBrandVoice

人気記事