経済・社会

2019.11.15 12:00

「ビーガンと紙ストロー」が地球を救えない理由


私たちが「気候危機」について真剣に考えるなら(そして本当のところを認めようとするなら)、クリーンな未来に向けて最大のチャンスをもたらすことができるのは、個人の行動ではない。国、そして世界レベルでの大幅な政策の変更だ。

世界に利益をもたらす「政策」


米国がこれまでに打ち出した政策の中で、気候変動とバイオエコノミー(生物経済)に関して有効だと考えられる主なものには、「Energy Innovation and Carbon Dividend Act(エネルギー革新・炭素税法)」「Renewable Fuels Standard(再生可能燃料基準)」「BioPreferred(バイオベース製品の優先調達)」がある。

例えばバイオベースの製品による代替を定めたことは、米連邦政府機関に2002年以降、肥料からエンジンオイル、フェイシャルケアまでの139の製品カテゴリーにおいて、バイオベースの製品を購入することを義務付けた。これにより、米国内のバイオ製品市場は2016年、2014年から17%以上拡大し、4590億ドル規模に拡大している。

政策の利点は、私たち個人に自ら生活習慣を変えることを求めるのではなく、その国全体に大きな変化をもたらし、はるかに大きな効果を得ることを可能にするということだ。

バイオ産業を促進する政策がすでに、雇用や賃金だけでなく石油由来の製品に代わる安価で有用な製品を生み出していること、これまで世界のエネルギーと交通、農業、そしてその他の産業を支配してきた化石燃料ベースの産業に匹敵するほどの恩恵をもたらし始めていることは明らかだ。

編集=木内涼子

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