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2019.11.15

「前向きさ」「素直さ」「粘り強さ」が事業の成功確度をあげる|弁護士ドットコム 元榮太一郎

弁護士ドットコム株式会社 代表取締役会長 元榮太一郎


スティーブ・ジョブズも「優秀な人はたくさんいるけれど、成功する人としない人の最大の違いは粘り強さにある」と言っています。

私は、逆境に立たされても、この言葉に背中を押され頑張り続けることができました。

「前向き」「素直さ」「粘り強さ」のこの3つに隙があってはいけません。

人は苦しいとき弱気になったり、格好良く見せようと「素直さ」を忘れてしまったりするものです。

しかし、そんなわずかな弱さが綻びにつながってしまう。

この3要素を一切の隙なく純度100%にしていくことができれば、事業の成功確度がおのずと高まっていくのです。



自らとの対話をしつこく続ける中から見えてくる志

──「前向きさ」「素直さ」「粘り強さ」の3要素を、隙を生まずに持ち続けるポイントやコツはありますか?

短期的には、規則正しい睡眠をとることですね。

疲れていると、人はだいたい弱気になります。寝て起きてみると、「意外とたいしたことはなかったな」と気持ちが晴れることは少なくありません。

しかし中には、長期的に厳しい状況が続くこともあります。

弁護士ドットコムの8期連続赤字は、当然のことながら寝たところで黒字になるわけではありませんでした(笑)。

そういうときは、「ピンチはチャンスだ」と考えるようにしていましたね。そう考えられるのは、やはり「志」や「ミッション」があったからだと思います。

自分自身と対話をして、「それはたしかにやるべきだ。絶対にやりたい。」と強く思うことができれば、逆境に立ち向かいながらも「ピンチはチャンスだ」と考える強さを持ち続けることができます。

さらにいうと、順風満帆で成功するよりも、山あり谷ありの方が、物語性があっておもしろいものです。

「私も辛いときがあった。でも、今はここまでこれた。だから、いま辛い人も頑張ると良いことがある」とエピソードを語ることができますよね。

私もピンチの時には「神様は、きっと自分に後人が共感してくれるような物語を与えてくれたんだ」と自分に言い聞かせていました。

どんなにピンチでも自分の考え方を貫くことができたのは、「本当にやりたいことをやっている」からだと思います。

「大してやりたくないこと」「どちらでもいいようなこと」をやっている場合には、逆境や厳しい状況に至ったときに、「前向きさ」「素直さ」「粘り強さ」を維持し続けていくことは難しいでしょう。

だからこそ、掲げる目標を洗練させて、「本当に自分がやりたいことなのか」を見極めていくことが重要です。起業を志される方は、ポイントポイントで自分との対話を心がけていただきたいですね。

連載:起業家たちの「頭の中」
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文=下平将人 提供元=Venture Navi powered by ドリームインキュベータ

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