※本記事は2017年11月に実施したインタビュー内容を基に作成しております。
純度100%の「前向きさ」「素直さ」「粘り強さ」が事業の成功確率を高める
──今でこそ起業する弁護士が増えてきていますが、元榮さんが起業された当時は弁護士が起業することは非常に珍しいことだったと思います。元榮さんが弁護士ドットコムを創業されたきっかけについて教えてください。
そうですね。12年前に弁護士ドットコムを創業しましたが、当時、弁護士で起業する人はゼロ。弁護士は弁護士として巷の法律相談や裁判、企業法務だけを手掛けるのが当然のことだと思われていました。ですから、起業した時も「会社を起業するなんて前代未聞だ…」と他の弁護士には驚かれました(笑)。
しかし、当時から司法制度改革により法曹人口は年々増加していて、私は近い将来弁護士の健全な競争が進む時代になるのではないかと感じていたんです。今までは、「弁護士は弁護士として働くべきだ」という時代でしたが、「これから全然違う弁護士の時代が来る……」。そう感じていました。
実際に海外では弁護士が起業することは一般的になっていましたし、自分の心の声に従って事業をスタートしてみようと思いました。
──先駆的なお立場でいらっしゃったので、ご苦労もあったかと思います。そんな状況を打破するのにも必要な起業家にとって重要な素養を3つ挙げるとすればどのようなものでしょうか。
とても基本的なことですが、「前向きさ」「素直さ」「粘り強さ」の3つが重要ですね。
これは、起業にかかわらずどんなことでも達成できる3つの条件だと思っています。
私自身、弁護士になるときも、起業するときも、2016年に国政に進出(千葉県選挙区から自民党公認候補として立候補し、初当選)するときも、この3つを徹底することだけを考えていました。
そうしていると、どんな苦労に直面しても自然と道が拓け、乗り越えることができたんです。
──「前向きさ」「素直さ」「粘り強さ」の3素養が、何事においても重要だと考えるに至った理由を教えてください。まずは「前向きさ」からお聞かせください。
私自身が、人生を「前向きさ」で乗り越えてきた経験が多くあったのです。
例えば、学生時代のサッカー、大学受験もそうでした。司法試験や起業へのチャレンジもそう。
これまで「前向き」であることで、能力を最大限に発揮してこられたのです。