決済のデジタル化でブラジルの「社会を変える」、Visaの試み

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決済大手のVisaは非接触型決済をブラジルで普及させ、人々を現金の利用から遠ざけようとしている。

Visaのブラジルのカントリーマネージャーを務めるFernando Telesは、現地での決済の60%をデジタルウォレットや非接触型カードに置き換える目標について語った。ブラジルではリオデジャネイロの地下鉄で非接触型カードによる決済が導入され、サンパウロのバス輸送システムでも9月からトライアルが始まった。

「非接触型カード決済の導入により、利用者と交通オペレーターの双方がメリットを享受できる。当社は人々を現金の使用から遠ざけ、古くからの習慣を変えていきたい」とTelesは述べた。

英国では公共交通の決済に非接触型カードが導入されたことにより、決済のデジタル化が進んだが、ブラジルにおいても同様な効果が期待できるとTelesは話す。

「初期の普及率は緩やかなカーブを描くが、その後は急速な普及が始まり、人々は現金より非接触型カードを選ぶようになる」という。Visaのデータでは、オーストラリアにおいては対面での電子決済の92%を非接触型カードが占めている。

Telesは他の先進国で起きたのと同じ現象が、ブラジルでも起こると考えている。非接触型カード決済の導入に必要なコストは減少が続いており、この事も普及の追い風になっているという。

「中国においても非接触型カードや決済ターミナルの導入コストが下がった結果、広範囲に普及が進んだ」とTelesは述べた。

Visaがテクノロジーの普及度が低いブラジルの地方部で、電子決済のパイロットプロジェクトを実施した結果、決済テクノロジーが社会の変革を促すことが分かったという。

「電子化により決済コストを下げることで、経済を活性化させ新たな雇用を生むことができる。さらに、暴力事件の発生率を下げることもできる。まさに理想的な循環を生むことが可能になる」とTelesは語った。

編集=上田裕資

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