トラック版ウーバーとして躍進のConvoy、430億円を新規で調達

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シアトルに本拠を置く物流トラックのオペレーター「コンボイ(Convoy)」が、新規で4億ドル(約435億円)の資金を調達した。コンボイはこれまでビル・ゲイツやジェフ・ベゾス、アル・ゴアなどから支援を受けている。

同社のCEOのダン・ルイスはトラック輸送を効率化することで、輸送時間を短縮し、トラックの燃料消費を削減すると述べている。2015年設立のコンボイは、元アマゾン取締役のルイスが共同創業した企業だ。

アマゾン時代にロジスティクスを担当したルイスは、この分野のテクノロジーの導入が遅れていることに気づいた。「この業界の人々の勤務時間の大半は、電話をかけて、空いているトラックを探すことに費やされている」と現在38歳のルイスは話す。

コンボイは言わば、ウーバーのトラック版のような役割を果たし、数千台のトラックの中から最適な車両をマッチングする。さらに、行き先が同じ荷物を束ねることで、効率的な輸送を実現する。

この仕組でトラックのドライバーらは効率的な業務が可能になり、燃料の消費も抑えられる。コンボイによると、全米の輸送トラックの走行距離の約35%が、積荷がゼロの状態だという。

全米トラック協会のデータでは、2018年のトラック業界全体の売上は8000億ドルに達したというが、近年は人手不足にあえぎ、6万台のトラックが不足しているという。この状況は、コンボイのような企業にとっては大きな追い風だ。

コンボイは非上場の企業で、売上や走行距離などを開示していないが、顧客にはアンハイザー・ブッシュやユニリーバ、P&Gらを抱えている。

今回のシリーズD資金調達の実施により、コンボイの累計調達額は6億6800万ドルに達した。フォーブスは現在の同社の企業価値を27億5000万ドルと試算している。シリーズDはアル・ゴアが運営するGeneration InvestmentとTロウ・プライスの主導で実施された。

また、これまでの出資元としてはGreylock PartnersやYコンビネータ、ビル・ゲイツのカスケードインベストメント、ジェフ・ベゾスのBezos Expeditions fundなどがあげられる。

ルイスによると、現在のトラック輸送の90%が、効率性に乏しい旧来からのやり方で運営されているという。「この分野は極めてマニュアルな状態であり、今後の巨大な成長可能性が眠っている」と彼は続けた。

編集=上田裕資

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