ビジネス

2019.11.14 11:30

ボーイングの問題が静かに悪化 737MAX以外にも暗雲


ボーイングは第3四半期決算で、ドリームライナーの減産に加え、777X型機の納入を2020年夏から2021年に延期すると発表。同機をめぐっては、商用機としては世界最大のエンジン「GE9X」のほか、最近は貨物室ドアにも問題が生じたため、当初お披露目が予定されていたパリ航空ショーから4カ月以上もたつにもかかわらず、初飛行さえも行なえずにいる。

こうした遅れが、777X型機の最大の顧客であるエミレーツ航空とその機材入れ替え計画にどのように影響するかはまだ分からない。エミレーツ航空はこのモデルを150機発注している。またシンガポール航空は既に今週の発表で、同社への777X型機納入もまた1年遅れ、運航開始は2022年になることを明らかにした。

ボーイングにとってさらなる懸念材料として、ルフトハンザ航空が777X型機の正式発注をオプションに変えたこともある。これによりルフトハンザは、同機を一切購入しない選択肢も得る。

現在も続く737MAX型機の問題や、787型機の減産、777X開発の遅延といった問題を抱えるボーイング社の商用航空機部門には、楽観的になれるものがあまりない。しかし、同社は前代未聞の規模にも思える危機に陥り、利益は前年比95%減となったものの、それでもなんとか黒字を維持している。ボーイングの今年1~9月の利益は前年同期の70億ドル(約7600億円)から2億2900万ドル(約250億円)に減少した。

編集=遠藤宗生

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