総務省の人口動態調査では、2019年に神戸市に住む日本人は148万9820人。前年より6235人減少し、全国の市区町村では最大の減少となったという。課題は山積みというが、長井さんらからは悲観的な意見は聞こえなかった。
なぜなら彼らは、課題こそがイノベーションの源泉であり、可能性と捉えているからだ。
2月に開催したGov Tech Summitでのワンシーン(写真=078実行委員会)
例えば、IT人材が役所内にいないという課題に対しては、神戸市はIT技術を活用して地域課題の解決をはかるコード・フォー・ジャパンの関治之さんをチーフ・イノベーション・オフィサーとして招聘し、起業家育成に着手した。そのほかにも危機管理、広報、デザイン、働き方改革など各所で外部人材を登用し、行政のオープンイノベーションをさらに拡大していこうとしている。
このように多様な人が集まる場に、さらに専門性をもった多様な人が集まり、掛け合わせでイノベーションが起きやすい環境が神戸市にできているように感じた。
本質的にオープンイノベーションを推進するには、制度ではなく、課題をチャンスと捉える視点や考え方が必要なのかもしれない。目の前の事象を匕ントと捉えるか機会と捉えるか、そしてどう行動するかが鍵になるのではないだろうか。