この両者を掛け合わせた取り組みが昨今、熱を帯びてきている。先進的な事例は、プロサッカーチームの湘南ベルマーレだろう。2009年6月からJリーグクラブ初のオフィシャルクラフトビール「ベルマーレビール」を発売している。
それに続く形で、2016年にはプロ野球チームの横浜DeNAベイスターズが球団初のオリジナル醸造ビール「BAYSTARS ALE(ベイスターズ・エール)」を発売。また2018年にはBリーグ所属の川崎ブレイブサンダースがオリジナルクラフトビール「THE CRAFT THUNDERS BEER」を発売するなど、続々と事例が増えている。
そして、また新たにオリジナルビールに取り組むスポーツチームがある。現在、J1で首位を走るFC東京だ。初優勝への勢いを加速させるべく、11月23日、30日で開催される味の素スタジアムでのホーム2戦で東京のクラフトビール醸造所「T・Y・HARBOR」とのコラボによるオリジナルビール「F.C.TOKYO BEER in AO-AKA PARK」を発売する。
この「ジューシーIPA」はIPAの消費量が多いFC東京のファン・サポーターの好みに合わせて、IPAの特徴であるパワフルなホップの香りが楽しめ、なおかつ多くの人が楽しめるよう苦味は控え目でドリンカブルにした「ジューシーIPA」スタイルのオリジナルビールだ。
試合当日はラージサイズ(510ml)を800円、モンスターサイズ(1000ml)を1500円、飲む比べセット(210ml×4種)を1200円で販売する予定だという。
©F.C.TOKYO
「定番がないスタジアム」からの脱却へ
「クラブ全体で勝つことに取り組み、スタジアムに足を運んでくれるサポーター、スポンサーのみなさまに勝利を届けて喜んでもらう。これこそがクラブが提供できる最大の価値だと思っていますが、常に勝つことを保証できるわけではありません。そうした中で勝って得られる“歓喜”だけでなく、試合結果にかかわらずに感じられる“楽しさ”も味わってもらいたい。そうした考えのもと、オリジナルビールの開発を進めてきました」
FC東京はなぜオリジナルビールの開発に乗り出したのか━━その理由を、東京フットボールクラブ マネジメントダイレクター兼マーケティング統括部長兼イベントプロモーション部長の川崎渉は上記のように語った。
2019シーズンから、FC東京はミクシィのエンターテインメント事業を担うブランド「XFLAG」とパートナーシップ契約を締結。これまで「青赤横丁」としてファンに楽しまれていた場所を「青赤パーク supported by XFLAG」としてリニューアルした。
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