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アマゾンはまた、業者をサポートするために、サードパーティーによるソフトウエアツールのエコシステムも充実させている。アマゾンの「売れ筋ランキング」を利用したものもその一つだ。

このランキングは長年、どの商品カテゴリのページにも表示されており、ジャングル・スカウトのようなソフトウエア開発業者がそれを活用して、大半のカテゴリーで販売高に関する詳しい情報を提供している。各業者はそれを参考に、どんな商品が人気なのかを知ることができるというわけだ。

これに対して、ウォルマートが売れ筋ランキングを発表し始めたのは、ようやく今月に入ってからのことだ。

アマゾンはさらに、サードパーティーによるアプリ開発なども促進している。ウォルマートは、業者による機械的な作業の自動化や売り上げアップなどを支援するサードパーティーのアプリ数でも、アマゾンに水をあけられている。

もちろん、ウォルマートのマーケットプレイスに出店する業者にも、最低限のマーケティングツールは用意されている。前述のエクイノックス社は、商品レビューの奨励やクリック課金型(PCC)広告、商品詳細ページのコンテンツ最適化に関するものなど、ウォルマートのいくつかのツールを駆使することで、マーケットプレイス上で認知度を高め、短期間に成長を遂げることができたと述べている。

鍵を握るのは無料の翌々日配送

ウォルマートのマーケットプレイスで成功する上で重要な点として、エクイノックス社が挙げるのが、アマゾンが“業界標準”とした無料の翌々日配送だ。販売担当マネジャーのラムザンの話では、ウォルマートのサイトで翌々日配送が選べるようにすると、売上高が一気に900%も伸びたという。

アマゾンの場合、マーケットプレイスに出店する業者は「フルフィルメント・バイ・アマゾン(FBA)」というサービスを通じて、信頼できる物流や、プライム会員向けの翌々日配送を簡単に利用できる。これに対して、ウォルマートでは業者が自ら配送を手配しなくてはならない。

エクイノックス社とプリグメート社はいずれも、デリバーという物流会社のサービスを利用している。同社は米国内に複数ある倉庫から商品を出荷しており、ウォルマートのマーケットプレイスで買い物した客の95%は注文から翌々日までに商品を受け取れるという。1か所から出荷する業者の場合、翌々日配送が可能なのは客の30%にとどまるとされる。

デリバー社の創業者マイケル・クラカリスは、ウォルマートのマーケットプレイスに出店している業者について、アマゾンで購入した場合と同じスピードで商品が配送されるようにする必要があると言う。「買い物客にとって決め手の一つは、商品の値段に配送料を加えた料金だ。そして、注文した商品には早く届いてほしい。だから無料の翌々日配送を提供することが極めて重要になる」

プリグメート社のオーナー、ビクター・マロザウも同様の見解を示す。実際、デリバーと提携して翌々日配送が可能になると、売り上げは40%増えたという。マロザウも、客が購入を決断する上では、無料の翌々日配送サービスが利用できるかどうかが重要な判断基準になるとみている。

米国の消費者はようやくアマゾン以外の通販サイトも試すようになってきたわけだが、多くのブランドはかねてアマゾンに十分対抗できる競合が現れるのを待ち焦がれていた。小売業界専門のメディア、モダーン・リテールの調査によれば、ブランドや小売業者の41%はアマゾンを信頼できるパートナーと考えていない。

編集=江戸伸禎

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