前回の記事では、自分の「好き」によって“ここではないどこかとつながる窓”としての機能を果たすのが、かつては雑誌であり、今ではオンラインサロンになりつつあることを話しました。
簡単に言うと、今いる環境で自分をうまく打ち出すことができない人は、より本音に近い自分を出す訓練の場所として、オンラインサロンを利用するのも手ではないか? という提案です。
今回はさらに、SNSやブログを、その自己表現やコミュニケーションの訓練としてどのように使いこなすことができるのか、考えてみたいと思います。
インターネットのいいところは、自分が放電した「好き」が、すでにアンテナが立っている人(同じ「好き」を持つ人や似たようなことを考えている人)に雷となって落ちる、という開放的なコミュニケーションがとれるところです。例えばこれを「放電型コミュニケーション」と名付けたけんすうさんは、日々自分が考えたことや思いついたことをポンとインターネット上で発信します。
けんすうさんは、自分にとっては何気ない思いつきでも、ひとまずインターネット上に置いておけば、誰かが反応してくれるかもしれない、その反応によってアイデアが変化したりしなかったりするインターネットの面白さをよく知っています。
よって、常に自分が発火したことを発信し続け、誰かが受け取ることでコミュニケーションがうまれ、仲間が増え、それによってまた新しいアイデアやブロジェクトを生み出す、という好循環の中に身を置いています。
この極端なケースが、楽天市場に出店している店舗さんです。彼らの多くは、自社の商品をインターネット上で情熱的に語り、ユーザーを惹きつけます。例えば日本酒を扱う店舗さんなら、「仙台の日本酒がこんなに美味しいんだ」ということをサイトやメルマガで情熱的に語り続け、印刷するとそれだけで2メートルにもなりそうな熱量の「好き」を発信しています。