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フォーブスジャパン編集部


家族の赴任でロンドンへ行くと、インテリア好きに火がつきました。私は子どもの頃から、家の模様替えが大好きで、大学時代には東京でわざとボロボロな家に住み、大家さんの許可をもらい、自分で修理していました。今流行りのリノベーションですね。

思えば、英語の教師や裁判所で調停員として働いていた母も、趣味で家の図面を書いていましたね。

ロンドンでは、最初はホテル学のMBAを取ろうと思っていたのですが、インテリアの方が面白そうだと思い、インテリアデザイナーを志しました。いくつかのカレッジで、アートディレクションや照明学など様々な勉強をしました。

──特に、インテリアデザイナーという職業のどのような点に魅力を感じましたか。

ヨーロッパでは、ギリシャ・ローマの時代から2000年間の歴史を経たインテリアのセオリーがあるんですね。その基礎的な知識を元に、自分にしかできないクリエイティビティを発揮するのが、インテリアデザイナーの誇りなのです。

イギリスではとても人気な職業で、社会的な評価も高いのです。英国のインテリアデザイン協会(BIID)の面接官を10年間拝命していますが、医者や弁護士からインテリアデザイナーになった人を何人も知っています。ジャーナリストから転身する人もいますよ。

年齢を重ねるほど、良い仕事ができるようになります。ちなみに私は30代後半で転身しました。

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キュレーションホテル「熱海 桃乃八庵」の遊び心あるインテリア

──ロンドンと日本では、インテリアデザインを取り巻く環境に違いはありますか。

私が熱海で進めている、キュレーションホテルとして古民家を再生するプロジェクトは、「インテリアデザイナー主導型」で進めました。

日本の場合、建築家が大枠を設計したのちにインテリアデザイナーも入るパターンが多いですが、イギリスの場合は最初の設計段階からデザイナーが入り、互いに話し合いながら進めて行きます。デザイナーは、家具やアートを含めたデザインの完成形を見据え、空間の構成まで考えてつくり上げていくのです。

イギリスでの場合、建築費用の2、3割を上乗せして、インテリアデザイナーに「アートディレクション」や「フィニッシングタッチ」を頼む文化があります。インテリアを完璧にすることで、不動産としての価値も飛躍的に高まるのです。


ジャポニズムが流行った時代にロンドンに渡った160年前の長崎螺鈿。澤山が買い戻し、「桃乃八庵」に配置した(本人提供)

文、写真=督あかり

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