実際、OECD報告書も、ドバイがその構成国のひとつであるアラブ首長国連邦(UAE)は、香港ならびにシンガポールと並んで、偽造品取引における最も重要な中継地点であると指摘している。
コンテナに詰められた大量の偽造品は、そうした中継地点に到着すると、小分けにされ、郵送や宅配便で各地に流通していく。UAEはさらに、サウジアラビアやイエメンとともに、アフリカに偽造品を輸送するための重要な中継地点であると、報告書で名指しされている。
UAEでは近年、大量の偽造品が押収されている。偽造品貿易の中心地である中国本土と香港には大きく引き離されているものの、2014年、2015年、2016年には、偽造品や海賊版の押収量で世界上位10か国に名を連ねた。2016年だけをとっても、UAEから輸出された偽造品の推定金額は155億ドルに上り、この額は世界全体の3%に相当する(なお、中国本土は47%を占めている)。
近い将来、何らかの洗練されたテクノロジーによって、さらに多くの偽造品が見つけ出されるようになるかもしれない。ドバイや世界各地で行われている偽造品取引を弱体化させたり減少させたりする上で、そうしたテクノロジーが役立つかどうかは今後の課題だ。